ことしで記念すべき10回目となった三条市発の無料音楽フェスティバル「三条楽音祭(らくおんさい)」が9日、三条市・中浦ヒメサユリ森林公園で開かれ、あいにくの雨にもかかわらず音楽やフェスのファンで盛り上がった。
アーティストやDJを含め11団体・個人が出演し、フードコートや物販で県外からも多い約40店が並び、市内の企業や団体によるワークショップも行われた。下田の大自然に包まれた会場は1日限りの音楽フェス会場に生まれ変わり、大音響が山にこだました。
三条楽音祭は、地元の若者たちが実行委員会を組織して企画、運営するレゲエを中心とした音楽イベントとして始まり、ことしでちょうど10年目になり、記念Tシャツも販売するなど節目にふさわしい盛り上がりに期待した。
願いに反して残念ながら朝から雨。しかし数日間にわたって開かれるような大きなフェスでは雨が降る日があるのも当たり前で雨になれている人が多く、雨とは思えない来場者のにぎわいだった。
「なかなか雨が降るであろうという所には行かないよな」と三条楽音祭の魅力を話す人もいて、雨対策万全のウエアで雨をものともせずにライブを満喫した。
後半は三条市の地域おこし協力隊でもあるハンドパン奏者の久保田リョウヘイさんがシンガーソングライターのPhokaさんとの共演も含めてスティールパンをやわらかくしたような音色で環境音楽のような演奏を披露した。
最後はシンガーソングライターのbirdさん、続いて社会や政治にメッセージを届ける活動家で知られる三宅洋平さんはがフロントマンの犬式で締めくくった。
birdさんはデビューアルバム「bird」で日本ゴールドディスク大賞を受賞。おそらくbirdさんを目当てに来場した人が最も多く、ステージ前には数百人が集まり、まさに雨を吹き飛ばすごとくbirdさんのライブが始まるとまもなく雨がやんだ。
バックはアコースティックギターとパーカッションだけのシンプルな編成で、ファンにはおなじみのナンバーをつややかで透き通るようなハイトーンボイスで歌い上げた。
犬式はレゲエをベースにさまざまなジャンルの音楽の要素を取り込み、肉体性を伴うサウンド。三宅さんは詩を読んだり、演奏が続くなかで聴衆に語りかけ、持続性のある社会の重要性などを訴え、会場を一体化するパフォーマンスを披露した。