野田聖子総務相は11日、ふるさと納税の返礼品が寄付額の3割を超える自治体は対象外とする考えを正式に表明した。以前からふるさと納税制度に反対の立場の国定勇人三条市長は、この日の定例記者会見でも「制度設計がそもそも間違っている」、「6割ていどの返礼品は続けるつもり」と反発した。
ふるさと納税については26分40秒ごろから
記者からの質問に答えたもの。ふるさと納税制度の見直しにより、自治体が対象外になると寄付者は税控除が受けられなくなる。三条市ではこの日現在でふるさと納税の返礼品は388品目あり、寄付額に対する返礼品の調達額は約6割。昨年度は県内自治体で9番目に多い約3億千万円の寄付があった。
国定市長は、地方税はその土地に住む人がその土地の行政サービスを受けるために必要な対価を払うのが本旨にもかかわらず、自分が住んでいないところに「まやかしのような制度」を使って寄付金控除を利用し、返礼品を認めるのは「それを制度として設定していること自体が誤り」と述べた。
ふるさと納税の寄付金収入は自治体の基準財政収入額に算入されないため、寄付金を受けても地方交付税が減少せず、寄付金額全額が地方団体の収入増となることなどにふれ、「ふるさと納税はやらなくてもちゃんと地方交付税制度があるんだからいいじゃないという立場」、ふるさと納税は「みんな一生懸命やるに決まってるじゃないですか」。重ねて「国の制度設計がそもそも間違っているのに、(返礼割合が3割を)超えたことに対してとやかく言うことそのものがおかしい」と指摘した。
総務省が返礼品競争の是正を求める通知を出して以降も三条市は6割の高い返礼割合を続けているのは「アンチテーゼの意味もあり、ふるさと納税そのものがこんな制度欠陥をもっているのに、自分たちが制度そのものを変えようともせずに全部、地方のせいにするなんておかしい」。
「ふるさと納税という制度をつくってしまった総務省、あなたがたの責任でしょということをわたし自身は直接、言ってる」とし、1年ほど前に総務相から呼び出しを受けたが、「お前らが来いと担当課長に言った」、「それぐらいの憤りをもっている」。
今後も制度が続き、法律に違反しない限りは「6割ていどの返礼品は続けるつもり」で、「わたしたち自身の存在が脚光を浴びるのであれば、それはそれでわたしは議論を呼ぶひとつのきっかになると思うので、これから先も変えるつもりはない」と議論のきっかけになるちことも歓迎した。