17日の「敬老の日」にあわせて東日本大震災の影響で福島県から三条市に避難している70歳以上の人たちに新米を味わってもらおうと、三条市江口、渡辺幸蔵さん(71)が14日、ことしも自身で栽培した「コシヒカリ」の新米100キロを避難者のための交流ルーム「ひばり」に届けた。
午前10時半過ぎ、渡辺さんは交流ルーム「ひばり」のある三条市総合福祉センターを訪れた。7日ころに稲刈りした新米「コシヒカリ」を5キロずつ袋に詰めた20袋計100キロを佐竹紀代表に手渡した。
現在、三条市に避難している人は32世帯80人。避難している人たちに情報紙などで案内をして、対象の人に受け取りにきてもらう。
佐竹代表は、水害や台風、地震と各地でさまざまな災害が起きていることを心配するとともに、「いろんなことが起きている時期なのに、ずいぶん経っているわれわれに変わりなく持ってきてくださることは、本当にありがたい」と礼を述べた。
渡辺さんは、「無理をすると続かない。自分の力でできることをしているだけ」と微笑む。避難者の人数がピーク時の10分の1になったという話から、「(三条にいる)福島の人が少なくなって、さびしいような気持ちも」と複雑な心境も話していた。
渡辺さんの住む地域は、2011年の7.29水害で大きな被害を受けており、当時、全国から支援を受けたことのお返しと感謝の気持ちとして、2014年2月から「細く長く続けたい」と、福島から三条市に避難している人たちに地震で栽培する野菜やコメをプレゼントしている。
「敬老の日」のほか、正月はお年玉として避難している全員に、5月には「子どもの日」として子どもたちにコメを贈る。家の畑でイチゴ狩りやサツマイモ掘りに招待もしている。
(坂井)