15、16の2日間、新潟県加茂市の加茂山とその周辺をあかりで彩った「小京都を楽しむ会 AKARIBA(あかりば)」は2日目の16日、あかりの結婚式が行われ、新潟市江南区に住む齋藤健さん(34)、美咲さん(25)さん夫婦の挙式を壮大なページェントのような舞台を用意して祝福した。
一般社団法人加茂青年会議所(川上和哉理事長)主催のイベントで、ことしも参加する夫婦を公募し、応募のあったなかから齋藤さん夫婦を選んだ。美咲さんは旧姓が渡辺で加茂市出身。昨年3月に婚姻届けを出した。間もなく1歳になる長男があり、結婚前に妊娠したこともあって結婚式はしていなかった。父は三条市のバー「キーウエスト」のマスター。
午後4時過ぎに加茂市仲町商店街の清雲亭山重を花嫁行列が出発して始まった。美咲さんは人力車に乗り、沿道に集まった市民に笑顔で手を振った。宮大門で待つ紋付きを着た健さんと合流し、夫婦を紹介。赤鳥居石畳へ移動して地元葵幼稚園児がお祝いの歌でふたりを祝福した。
加茂山中腹にある青海神社で結婚の儀を行ったあと、「見に来てくれた人にも何かプレゼントをしたい」と夫婦のたっての希望で、神楽殿から祝いのもちまきを行った。数百人が集まり、あちこちから「おめでとう!」の祝福の声があがり、もちまきも盛り上がった。
1,200個のキャンドルが並ぶ屋外ステージまで行列でのぼり、キャンドルイベントとよさこいソーランの祝いの踊り、友人や知人のビデオメッセージのあと、再び行列で山を下りて和傘のあかりが飾られた池之端で見物客を前にポーズをとった。
そして赤鳥居前でフィナーレ。地元の書家、下田彩水さんが2つの畳2枚分ほどある赤い布に白く「円満」と「百福」の文字を揮毫(きごう)するパフォーマンスを行った。
最後に夫婦が感謝のあいさつ。健さんは話そうとするも涙があふれて言葉にならず、たまらず美咲さんが「夫に代わってわたしの方から」と助け船を出すほのぼのした仲むつまじい場面もあり、感動の大団円を迎えた。
天気予報では降水確率が高く、関係者は雨を前提に準備を進めたが、朝に雨が降った雨も昼ごろにはやみ、汗ばむ陽気。ふたりには厳しい暑さになっったが、健さんは「大勢の人に祝ってもらって本当にうれしかった」、美咲さんは「あんなに人がいらっしゃると思わなかった。ひとりで人力車に乗ったのがいちばん緊張した」と忘れられない1日を記憶に刻んでいた。
(佐藤)