新潟県三条市の八幡宮の春季例大祭「三条まつり」にあわせて行われる大名行列を子どもたちが再現する子ども大名行列が17日、行われ、100人余りが参加して「天狗さま」や「奴さん」など本物さながらの行列を披露した。
参加した子どもたちは、交代で導祖神(天狗)を務める4人、先供(奴)の25人、囃子方12人、「良寛みこし」の担ぎ手約60人。地元の裏館小学校区をはじめ、一ノ木戸、嵐南、大崎地区など年少児から中学1年生まで合わせて100人余りの行列となった。
導祖神と先供は事前に3日間の練習をするなど、三条道祖神会、三条先供組合、八幡宮囃子方組合をはじめ、三条祭り若衆会など本家三条祭りの大名行列を支える各団体が指導やサポートをする。
拝殿での神事のあと、午前10時に八幡宮を出発。先供、導祖神、みこし、囃子方の順に、車両通行止めにした参道から、弥彦線の高架橋下の道路を進み、八幡宮へと戻った。
最高気温27.0度で蒸し暑かったったこの日、参加者は、額に汗を光らせながらも粛々と、また、パートによっては笑顔を見せながら、しっかりと練習の成果を見せながら進んだ。
沿道で見物した人は、「りっぱらね〜」と天狗の衣装や歩き方など本家の導祖神に負けない完成度の高さに驚き、奴の道具の扱いや、笛や太鼓のお囃子に感心。「え〜とまかせ〜」と可愛いかけ声や、みこしの小さな担ぎ手に目を細めたり、拍手を贈ったりしていた。
参道付近ではイスに腰かけて行列を迎えたお年寄りも多く、休憩で止まった目の前の子どもに「どこの子らね?」、「そーらかね、この辺、子どもが少ねすけ、でてもらわんとね。ありがとね」と声をかける人もおり、子どもたちも元気に答えていた。
大名行列を子どもたちで再現し、ふるさとを愛し、これからの三条を支える担い手になってもらおうと2011年から開かれ、8年目。「ものづくりのまち三条こども祭り実行委員会」(坂井勇資実行委員長)が主催。
同行列は、八幡宮を会場に行われた「良寛さまとあ・そ・ぼ!祭」で2002年に実施された行列が、さまざまに形を変えて引き継がれている。子ども大名行列は昭和40年代ころ、八幡宮境内の金山神社での金山講にあわせて行われたとされる話もあり、2009年に同神社から発見された道具も使っている。
また、今回、初めて、八幡宮の御神輿のミニチュア版ともいえる「金山みこし」の担ぎ手を募集したが、応募がなく行列に加わることはできなかった。同みこしは、重量があり、人数の確保も必要なことから、小学校高学年のクラス単位などで参加してほしいと呼びかけたもので、同実行委員会は、来年に期待した。
(坂井)