新潟県柏崎市を舞台に映画化されて公開が待たれる長岡市栃尾地域のご当地ヒーロー「トチオンガーセブン」の衣装や資料の展示会が、24日まで栃尾文化センターで開かれている。
トチオンガーセブンを考案して自らふんするのは、豆腐製造業株式会社毘沙門堂(長岡市北荷頃)の社長、星知弘さん(48)。「毘沙門堂本舗」で油揚げなどを販売する一方、「毘(び)プロダクション」としてトチオンガーセブンをマネジメントし、週末は各地へヒーローショーにも出向く。
念願のテレビ化が実現した。星さんの原作、主演で昨年8月12日から6夜連続でテレビ放送された。第1話は午前2時半からの未明の放送にもかかわらず、放送直後からツイッターではトチオンガーセブンに関する170ものツイートが投稿された。続いて今度は映画化。柏崎市のシティープロモーションとして制作され、ことし6月6日から10日まで柏崎市で撮影が行われた。
友人を介してつながった映画『相棒』の監督で新潟県出身の橋本一さんがメガホンをとった。元モーニング娘。の小川麻琴さん、ウルトラマンレオの真夏竜さん、宇宙刑事シャリバンの渡洋史さん、ナレーションにライダー2号の佐々木剛さん、そして橋本監督の長男も出演している。
タイトルは『炎の天狐 トチオンガーセブン閻魔堂(えんまどう)!地獄の大決戦!!』、上映時間は約1時間。この秋、映画館で上映された後、東京での上映も予定されている。
今回の展示会では映画に使われたコスチュームや祭壇、撮影風景の写真などを展示。資金が少ないため、すべて星さんが手作りしたマスクも見どころだ。
星さんは3歳のときに見た特撮テレビ番組『鉄人タイガーセブン』から特撮ヒーローものに夢中になった。勧善懲悪のわかりやすいストーリーではなく、おとなでも考えさせられる社会派の昭和の特撮ヒーローものにあこがれ、その世界観をトチオンガーセブンで実現。映画でも星さんが原作を担当した。特撮ヒーローに対する思い入れは今も変わらない。
トチオンガーセブン誕生から映画まで3年は、あっと言う間だった。さまざまな障害があり、自ら出資したこともあって家族での立場も微妙になったが、それを乗り越えることができたのは「週末のヒーローショーでの子どもたちの笑顔でした」と星さん。結果、「どんなにつらいこと、いやなことがあっても、最後におもしろいことがあったらいいのかな」という心境に行き着いた。
また「東京へ行かなくてもこんなことができるんだと思ってもらえればいい」と自身の行動が地方から夢を実現しようと考える人たちへのエールにつながることにも期待する。
展示会は午前9時から午後5時まで、入場無料。最終日24日は午後2時からトチオンガーセブンのサイン&握手会が開かれる。