台風24号の接近に伴って燕市が30日正午から市内3地区に開設した自主避難所には、午後5時半までに合わせて33人が自主避難したが、その後も続々と避難者が続いている。
午後5時半現在の避難者の内訳は、燕庁舎(白山町2丁目)16人、吉田ふれあいセンター(吉田中町)15人、分水公民館(分水新町2丁目)0人。台風21号の接近に伴って9月4日午後から5日朝まで開設した同じ3カ所の自主避難所には合わせて56人が避難しており、今回、避難している人の多くが台風21号のときも避難した人だ。
5時半までに吉田ふれあいセンターに避難した15人は、ほとんどが70歳代から80歳代。歩いてくる近所の人もいれば、車で訪れる人もいる。
歩いて10分ほどの家から避難した72歳の男性もは、前回も自主避難した。「昭和36年の第2室戸台風のときは屋根がはがれておっかねかったよ」と今も鮮明な記憶がある。家はその当時からあり、明治時代に建てられたものらしく、「風でぐらんぐらん揺れる」と言う。前回の避難では「安心だこてね。音がしねーもん。欲を言えば座布団より布団らったらいいんだけど」笑いながらも「国民年金じゃ火災保険もへーらんねて。なんかあったときは頼むいね」と担当の職員に話していた。
燕庁舎もみるみる避難者が増え、午後6時過ぎには20人を超え、その後も次々と市民が訪れ、「一晩、お世話になります」と受け付けの書類に名前などを書いていた。避難の前に「どうしようかと思って」といわば避難所の下見に訪れる人もいた。
弥彦村は避難所を開設していないが、避難を希望する人のために、燕・弥彦消防での自主避難所開設の検討も始めた。