1日夜、無人の三条ものづくり学校(三条市桜木町)体育館で出火し、床に敷いたカーペットなどが燃えるぼやがあった。
火災を発見したのは、ものづくり学校に入居している事業者の男性。帰宅しようと体育館脇の駐車場に行ったところ、体育館内部が電気がついていないのに明るいと異常に気づいて火災を発見し、午後9時43分に119番通報した。
男性は、夜間の建物の管理人とともに体育館に行き、床にあった布のようなものが燃えていたため、2人で消火器で火を消した。その後、駆け付けた消防が、完全に火を消すために放水を行い、10時3分に火は消えた。
機械などの汚れをふき取ったウエスのような布と、板張りの床の上に敷かれた薄いカーペット約0.8平方メートルが燃えた。
日中、体育館では「燕三条 工場の祭典」の関連イベントとして5日から行われる「産地の祭典」の準備が行われていた。7時に業者は仕事を終えて帰り、7時半に管理人が体育館の鍵をかけ、戸締りしていたので、中に誰もいなかった。
三条署は出火原因を調査しているが、体育館付近に設置されている防犯カメラの映像などを確認しても外部からの侵入者はなく、事件性は低いとみている。
9月21日開かれた工場の祭典の運営委員会では、最後に事故のないよう安全管理の徹底を関係者に求めた。2016年の「TOKYO DESIGN WEEK」でジャングルジムが燃えて男の子が死亡する事故があって以来、工場の祭典のプロデューサーの山田遊さんは、ことあるごとに安全管理を求めてきた。
体育館が無人になってから約2時間後に火災が発見されており、出火がもう少し遅かったら大きな火災になった可能性がある。ぼやですんだのは運が良かったというべきで、工場の祭典そのものの事故ではなく、開幕前の事故とはいえ、原因の究明と再発防止、さらなる安全管理の徹底が求められる。