過去最多の109拠点が参加した「燕三条 工場の祭典」が4日、開幕。7日までの4日間、燕三条地域の名だたる工場を開放し、世界での評価も高まる燕三条のものづくりの現場を肌で感じることができる。
初日4日は午前8時半から包丁をはじめ刃物を製造する藤次郎株式会社のオープンファクトリー(燕市吉田東栄町)前で関係者らが出席して開会式を行った。実行委員長の玉川堂の山田立さんはあいさつで、「日本中、世界中の方々に私たちがこの土地でやってきた営み、製品、それに対する思いをちゃんと次の世代にバトンタッチしていきたい」、「この4日間だけではなく、この燕三条という地域は365日、通年、工場で人をつなげるという活動を今月も続けたい」と工場の祭典に託した思いを伝えた。
燕三条地場産業振興センター理事長の国定勇人三条市長は、この工場の祭典がイギリス・ロンドンにオープンしたジャパン・ハウス ロンドンの最初の企画展で紹介され、続いてでスイスのデザイナーズイベントに招かれていることにふれ、「ますます関心の目が世界中に広がっていることを実感している」と喜んだ。
副理事長の鈴木力燕市長は、開会式会場になった藤次郎のオープンファクトリーが前日に発表されたグッドデザイン賞を受賞したことを紹介し、「工場の祭典というイベントだけでなく、それを生み出してくる若い人たちのエネルギー、パワーがいちばん誇れるものではないかと思う」と賛辞を送った。
テープカットのあとも恒例で山田実行委員長と両市長、プロデューサーの山田遊さんの4人が「開け、工場!」と声を合わせて工場のシャッターを開いて幕開き。さっそく藤次郎の藤田進社長が関係者を工場見学に案内した。
開幕式のときから早くも岩手県の建築関係の業者の団体が工場に見学に訪れた。藤次郎のオープンファクトリーを見学しようと計画を立てていたところ、ちょうど工場の祭典の期間中と知り、あたためて工場の祭典の参加工場を回る計画に変更したと言う。
藤次郎のオープンファクトリーは、グッドデザイン賞を受賞したように燕三条地域で最も工場見学が整備された工場のひとつ。その後も続々と見学者が訪れて朝からにぎわっていた。毎年のように工場の祭典を訪れているITジャーナリストの林信行さんは、日帰りながらことしもさっそく藤次郎を訪れていた。