互いにニッパー型高級爪切りも作る三条市の諏訪田製作所=小林知行社長=とマルト長谷川工作所=長谷川直哉社長=は「燕三条工場の祭典」初日の4日、両社初のコラボレーション商品・ブランク材アートキット「SWD ART LAB Bonsai Kit#MARUTO」を10個限定で発売した。
「SWD ART LAB Bonsai Kit #MARUTO」は、高さ20センチ余りのミニ盆栽アートのキット。マルト長谷川工作所で製造する工具のニッパーの廃材を、諏訪田製作所の職人が加工して幹を作った。土となるのは、諏訪田製作所の爪切りの製造過程で出るパンチくず、鉢の部分には、両社のロゴマークをマルト長谷川工作所でレーザー刻印した。
キットは、本体のほかに、両社のロゴが模様となった限定手ぬぐいと限定ステッカー付で、1セット5,800円(税抜)。両社のショップで各5個ずつ計10個を販売する。
諏訪田製作所は、製品をつくる過程で出る廃材(ブランク材)を使ったアート作品「ブランキングアート」を作り、オープンファクトリーにも展示しているが、個人でも楽しみたいという要望を受けて今夏、「ブランキングアート」のミニ盆栽を作れるキットを「SWD ART LAB(スワダ・アート・ラボ)」のシリーズとして作り、販売した。
今回のコラボレーションは、同シリーズの第2弾。諏訪田製作所からコラボレーションを依頼した。2社で商品を作るということは初めてだったが、同じように材料を鍛え、1からものづくりをする会社という信頼感が互いにある。
外からは様々な場面で「ライバル会社がなぜ?」と思われることもあるというが、昔から地域の中ではいっしょに活動したり、事業に参加する機会も多い。コラボレーションを担当した両社の社員同士も国内外の見本市などで顔を合わせることが少なくない。
マルト長谷川工作所の長谷川社長によると、2代目社長の長谷川藤三郎氏の遺影は、諏訪田製作所の小林社長が撮影した写真を選んだというエピソードがあるなど、つながりは長く「自然なこと」と話す。
また、「工場の祭典の裏側も見てほしい」と言う。両社のみならず、「燕三条」の強みが見えるのかもしれない。
(坂井)