2019年のスカイランナー・ワールド・シリーズに、新潟県三条市で19年4月21日に開催される「粟ヶ岳スカイレース(Mt.AWA Skyrace)」が新たに加わることが18日(スイス時間)、正式に発表された。世界戦実現の立役者となったのはトレイルランナーズを主宰するプロトレイルランナー、松永紘明さん(38)=見附市=に22日、話を聞いた。
スカイレースは、山を駆け上がる速さを競う「スカイランニング」の競技。世界戦はスイスに本部を置く国際スカイランニング連盟(ISF)が主催し、2019年は世界11カ国で15レースが開催され、粟ヶ岳スカイレースはその開幕戦となる
2016年から毎年、粟ヶ岳バーティカルキロメーターが行われている。それを主催するのがトレイルランナーズ。企画前から松永さんには粟ヶ岳での世界戦が構想にあり、松永さんは企画段階からスタート地点となる五百川地区で説明会を開き、地元の人たちの理解、協力を求めた。
「粟ヶ岳は魅力的な山。ぜひこの宝を磨いて新潟、日本だけでなく、世界に発信したいので、力を貸してくださいとお願いすると、それならと協力してくれた」と松永さんは振り返る。
ことしはスカイランニング日本選手権の同時開催が実現し、2019年は言葉通りに世界戦を実現できることに。世界で活躍する招待選手は10人から30人になる見込みと言う。松永さんは「これまで地元の皆さんの協力を得てきたので、ひとつ恩返しができたと思う」と感謝する一方で、「ここからがスタート。粟ヶ岳、新潟をここから世界に発信する意気込み」と力を込める。
世界戦実現に向けてスイスのISFへも何度も足を運び、準備してきたが、実現が決まったのにはタイミングもあったと言う。アジアでの世界戦は中国だけだったが、日本とあわせて2会場をアジアステージとしてシーズンの開幕戦のような位置付けにしたいという思いがあるようだとも。
練習では1日に何度も粟ヶ岳の山頂まで往復する。22日は世界戦が決まってから初めて粟ヶ岳を登った。「あいさつに行ってきた」と松永さん。「粟ヶ岳や下田には、その土地の神さまがいると思っている。神さまが歓迎し、受け入れてくれれば実現すると思った。これは受け入れてもらえたということで、率直に感謝の気持ち。さらに地域の発展のためにやっていきたい」と話した。
(佐藤)