新潟県燕市で大型ロケが行われているTBS日曜劇場「下町ロケット」の人気にあやかって観光施設への誘客を図ろうと燕市内のメーカーが段ボールで製作した原寸大のトラクターが30日、「道の駅 国上」(燕市国上)にお目見えした。
「下町ロケット」に登場するクボタのトラクター「SL60」がモデルで、全長3,340ミリ、全幅1,545ミリ、全高2,330ミリ。素材は三層構造の強化段ボールなので、重さは170キロにもなる。体重80キロ以下の人はシート部分に座ることもできる。
「道の駅 国上」の売り場に掲示している「下町ロケット」の巨大パネルの前に設置。訪れた人は実物と同じ大きさのトラクターが段ボールで作られていることに驚いた。燕市でロケが始まって以来、市内では何かと言えば「下町ロケット」の話題で持ち切りで、ここでも「下町ロケット」の話に花を咲かせていた。シートに座って記念写真を撮る人も多く、インスタ映え抜群だ。
製作したのは来年1月で創業100年になる森井紙器株式会社(森井康社長・燕市吉田下中野)。段ボールシートや段ボール箱を製造している。燕市でのロケが始まる前の9月初めに鈴木力市長から段ボールトラクターを作れないかと相談があり、3人の設計者が担当して構想から1カ月余りかけて製作し、おとなが乗れること、実物のトラクターの形の再現性にこだわった。
30日、市役所で段ボールトラクターの設置報告会を開き、3分の1サイズで試作したものを除幕して披露した。森井社長は「ものづくりの燕市をいろんな側面でアピールしたいというお話しだった」と言い、「結構、お金も時間も技術もかなり要した」と苦心したことを話した。
さらに「こういったチャンスで燕市に貢献ができたら会社としても何より」、「金属加工品はもちろんだが、それを支える梱包資材でも技術がある、このまちは何でもできる、何でもそろうんだということでアピールができたらうれしい」と森井社長は喜ぶ。
また、段ボールトラクタは「道の駅 国上」に展示したものとは別に11月中旬から「道の駅 燕三条地場産センター」でも1台、展示する。