新潟県の燕市と国道交通省北陸地方整備局信濃川河川事務所は30日、大河津分水路改修事業で発生する掘削土砂を燕市の施設整備事業の造成土砂に有効活用する覚書を締結した。
2015年度から32年度までの17年間にわたって大河津分水路改修事業が行われており、山地部掘削では約1,000万立方メートルの土砂が出る。その土砂を燕市が進める分水小学校区の3保育園を統合する新たな保育園整備事業に5,500立方メートル、燕市・弥彦村統合浄水場整備事業に6,000立方メートルの造成土砂として活用する。
掘削土砂を運搬費も含めて信濃川河川事務所から燕市に無償提供することで、燕市は造成土砂を購入する費用が浮き、信濃川河川事務所は残土処理にかかる費用を削減できる。燕市は造成土砂の購入にかかる1立方メートル当たり4,500円として保育園整備事業で2,475万円、浄水場整備事業で2,700万円が削減できる。
三条市が栄地区に造成する工業流通団地への掘削土砂の活用で、三条市と信濃川河川事務所の間でも8月8日に初めて大河津分水路改修事業に伴う同様の覚書を締結しており、今回が2件目。信濃川河川事務所では長岡市などほかの自治体とも同様の調整を進めている。
覚書に署名した燕市の鈴木力市長は「地域の安心安全が強化されつつさらに地域のいろんな課題が解決され、活性化が図られるという意味で大河津分水、なんと女神どころかすばらしい存在だなとあらためて思う」、信濃川河川事務所の田部成幸所長は「安全安心の大河津分水路だが地域にも利用活用して地域を活性化できればとこういったプロジェクトをいろんなところで立ち上げていきたい」と述べた。