新潟県警三条署と本部生活保安課は8日、国内では未承認の米国の育毛剤を広告したとして東京に住む個人輸入代行業者の男を逮捕した。
8日午前8時13分、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反(承認前の医薬品の広告)の疑いで東京都新宿区山吹町、会社役員杉原崇憲容疑者(49)を逮捕した。
杉原容疑者は海外医薬品の個人輸入代行業を営み、ことし7月上旬から10月上旬までの間、新宿区山吹町地内の会社事務所でホームページを開設し、厚生労働大臣の承認を得ていない米国製の医薬品、カークランドミノキシジル5%育毛剤など6製品を掲載した。
それらの医薬品について「ミノキシジルの発毛効果は医学的に確認されています。ミノキシジルはもともとは血圧を下げるお薬として開発されました。ミノキシジルを使った患者さんの体毛が濃くなったことから育毛剤としても使われるようになりました」などと医薬品に相当する効能・効果をうたい、インターネットを利用する不特定多数の者に閲覧可能な状態にして厚労相の承認を受けていない医薬品の名称、効能、効果などを広告した。
国内でも厚労相の承認を受けた発毛成分のミノキシジルを配合する発毛剤が販売されているが、杉原容疑者が広告した医薬品はミノキシジルを配合した米国では承認されている正規品だが、国内では承認されていない。それぞれ2本で「ロゲイン」(60ml)税込み6,800円、そのジェネリックの「カークランド」(同)3,680円と開設したホームページに表示し、購入希望者には自身が開設した銀行口座に料金を振り込むと米国から商品が届く仕組みだ。
価格は「ロゲイン」でも国内の同種の発毛剤の半額ほどと安い。杉原容疑者は、商品は米国から発送されるので販売はしておらず、輸入代行だとしているが、ホームページの広告の内容は違法にあたる。これまで少なくとも百数十件の取り引きがあったようだ。
効能や安全性が確認されていない無承認医薬品等がインターネット上において広告、販売されて世界的に流通し、健康被害が生じている現状を踏まえて国際刑事警察機構(ICPO)主導の下、世界各国の捜査機関が参加して無承認医薬品等に係るインターネット上での広告、販売事犯の取り締まりを集中的に行った「オペレーション・パンゲア」の一環による取り締まり。三条署がサイバーパトロールを行うなかで見つけた。
(佐藤)