新潟県燕市役所で12日、開かれた職員の勉強会「政策研究会」の特別講演会で2020東京五輪招致の立役者、ミズノ株式会社相談役会長の水野正人氏(75)が「東京2020大会レガシーで健全な社会を」をテーマに講演し、職員ら100人近くが聴講した。
水野氏は1943年に兵庫県芦屋市に生まれた。66年にミズノに入社し、88年から代表取締役社長、2006年から代表取締役会長に就任して11年に退任後、14年から相談役会長に就いている。さまざまなスポーツ関係団体の役員を歴任し、11年から14年まで東京2020五輪・パラリンピック招致委員会のCEOを務め、招致に大きな役割を果たした。
講演は「燕市体育協会・ミズノグループ」が2014年から燕市内スポーツ施設を管理していることもあって水野氏の講演が実現した。市職員ほかに「つばめ東京オリンピック・パラリンピックプロジェクト」と「2020東京オリンピック・パラリンピックホストタウン燕市推進委員会」のメンバー、市内スポーツ関係者も聴講した。
水野氏は五輪開催が残すハードやソフトの遺産について豊富な経験や知識を基に、地球温暖化、国際交流の必要性、権力の集中が生む政治の腐敗、ボランティアイズムの基本、AIなどが生み出すニュービジネスなどさまざまな角度から思いつくままに話した。
五輪・パラリンピックでは、メディアはメダルの数や記録を報じるが「レガシーを書く新聞はなく、半分は何を残すかが大切。五輪を契機に本当に日本が良くなっていけばいい」とその後につながる取り組みに期待した。
招致委員会では「われわれのチームはミスがあっても構わない、すぐに言ってくれ」と言いミスにはすぐに対応した。「チームワークとバックアップとよく言った。バックアップするのがチームワーク」と組織論を話した。
また、ニュービジネスのキーワードとして、健康、環境、観光などもあげ、参加者はメモを取って聞き入っていた。
(佐藤)