5月に84歳で亡くなったホームセンター業界大手の株式会社コメリ(捧雄一郎社長・本社新潟県新潟市南区)の創業者捧賢一氏(新潟県三条市興野2)の遺族が、故人の遺志を継いで三条市や市民への感謝の気持ちとして、次代を担う子どもたちのスポーツ環境整備に使ってほしいと19日、三条市に2億円を寄付した。
午前11時にコメリの捧雄一郎社長と亡くなった捧氏の妻ミヨエさん(84)の2人が市役所を訪れ、2億円の目録を国定勇人市長に手渡した。
捧雄一郎社長は寄付の経緯などについて話し、会長(捧賢一氏)は、三条市で生を受け、三条市から事業をスタートし、お世話になり、ビジネスを成功させてもらったと思っている。会長自身も常日頃から、地域の皆様に育てて頂いたと話していた。
どういうご恩返しができるか話していた時に、ビジネスでお役にたつことが一番大事だが、お世話になった市民の皆様やお客様にご恩返しをしていくことと、繰り返し話していた。今回の寄付は、子どもたちのスポーツ環境の整備とし、時代を担う子どもたちの健全な育成に寄与したいということが会長と私どもの願いとした。
また、芸術や文化に貢献するイメージも強い捧氏だが、スポーツが大好きだった。ボウリングではマイボールを持つほどで、ホームセンター事業に参入するときに「1番好きなことを断つ」と決め、以来、ゴルフをしなかったという。10年近く前には多忙のなか、当時、三条高校の野球部だった孫の練習をこっそり見に行っていたエピソードもミヨエさんが明かした。
国定市長は、「三条市コメリ捧賢一記念少年スポーツ育成基金」を創設し、できるだけ長く、子どもたちのために使い続けたいと感謝した。
(坂井)