新潟県三条市下田地区の宝を磨くNPO法人しただの里(大竹晴義理事長)は、11月23日(金・祝)午後1時から三条市須頃1-17、燕三条地場産業振興センター・リサーチコア7階マルチメディアホールで元NHKエグゼクティブアナウンサーの国井雅比古さんをゲストに八十里越フォーラム「八十里越と西潟為蔵」を開く。
三部構成で第一部は、NPO法人しただの里の大竹理事長が「八十里越ルート整備・調査」と「八十里を越えた人・最後の瞽女(ごぜ)」、第二部は駒沢女子大学の弥久保宏教授が「八十里越と西潟為蔵」についてそれぞれ講演。第三部はゲストの国井雅比古さんと弥久保さん、大竹さんをパネリストにパネルディスカッションを行う。
八十里越フォーラムは3回目になり、今回、スポットを当てるのは、今の三条市下田地区に生まれた偉人、西潟為蔵(1845-1924)。自由民権運動に加わり、県内の国会開設運動に参画。県議を経て1890年に帝国議会の第1回衆院選で初当選して2期務めた後、新潟日報社長兼専務や財団法人新潟盲唖学校理事を務めた。
西潟為蔵は県境を越えて地元の下田郷と福島県会津を結ぶ八十里越道路を県道として開削しようと働きかけ、1889年に八十里越道路の建設が着工、翌90年に完成している。その後、新潟と福島を結ぶ今の磐越西線の開通や六十里越と只見線の開通で八十里越は衰退。1970年に国道289号に指定され、それから半世紀近くになるが今なお通行不能区間があり、開通に向けた整備が進んでいる。
しかし、西潟為蔵の偉業は歴史のなかに埋もれており、あらためてその偉業に光を当てようと2019年の西潟為蔵顕彰会設立に向けた取り組みが行われており、弥久保教授はその設立準備事務局の事務局長も務めており、西潟為蔵を主人公にした大河ドラマの実現や自由民権運動顕彰施設の開設なども目指している。
ことしも八十里越を愛してやまない国井さんをゲストに迎え、西潟為蔵が私財を投じてまで八十里越の開削に情熱を注いだ理由や、三条市名誉市民でもある最後の瞽女(盲人芸能者)の小林ハルが歩いた八十里越など、ここでしか聞けない歴史ロマンあふれる話が盛りだくさんになるという。
八十里越フォーラムは入場無料で定員200人。参加したい人は事前に申し込む。申し込みや問い合わせは三条市市民活動支援センター内のNPO法人しただの里事務局(電話・ファクシミリ:0256-34-8960・電話受付は午前9時から午後6時まで)へ。
(佐藤)