新潟の冬の味覚、西洋ナシ「ル レクチエ」の販売が21日に解禁され、県内有数の産地JAにいがた南蒲管内の加茂市と三条市大島地区でも出荷が始まった。
西洋ナシの高級品種「ル レクチエ」は、県内産ナシの締めくくり。生産者が大事に育てた収穫後、さらに温度管理や湿度調節などの手間をかけ、約40日間追熟させて出荷する。「ル レクチエ」の生産量は新潟県が全体の約8割を占める。早出し競争による品質低下を防ごうとJAグループでは販売解禁日を設け、ことしは21日を解禁日にした。
加茂市と三条市大島地区では、合わせて約200人の生産者が約35ヘクタールで栽培。出荷初日の20日は、加茂選果場と大島選果場のそれぞれに、次々と「ル レクチエ」が持ち込まれた。ことしは、全体的に小玉傾向だが、糖度が高く品質は良好だ。
持ち込まれたすべての「ル レクチエ」は、色や形、汚れやキズがないかなどを、検査してから出荷している。「ル レクチエ」のほのかな香りに包まれた大島選果場では、果樹生産者でつくる大島園芸振興協議会(通称:大島園協)の西洋なし部会の生産者とJA職員計10人ほどが交代で毎日、検査し、初日のこの日も1箱ずつすべてのふたを開けて調べた。
生産者の1人は、「いよいよ始まったという気持ち」。「一番おいしく食べてもらいたいので、出荷時期を逃さないようにと追熟中のレクチエのことが、常に気にかかかる」と、無事、出荷を迎えられた喜びとともに、気の休まらない日も続くと笑顔で話していた。
食べ頃は、果実が収められている透明の袋に描かれたイラストのような濃い黄色になったころ。甘い香りが強くなってくると、柔らかくとろけるような食感も味わえる。
同JAの「ル レクチエ」は、県内をはじめ、関東、名古屋、大阪、北海道の市場に出荷される。出荷のピークは12月上旬で、年末12月28日ころまで出荷は続き、両選果場合わせて4キロ入りの箱で8万箱分の320トンの出荷を見込んでいる。
(坂井)