新潟県燕市内の中学校でいじめで、いじめにより生徒が目にけがをする事故が発生したことについて29日、仲野孝燕市教育長が記者会見した。
市教委がまとめによると、関係したのはいずれも同じクラスの3年生で、被害生徒1人(A)と加害生徒3人(B、C、D)。13日の昼休みにBがAに消しゴムを投げ、自席で歯磨きをしていたAの右目を直撃。Aは保健室で養護教諭の応急処置を受けたあと、保護者と眼科を受診し、右目に出血があった。
翌14日、再受診すると右目の前房出血のため安静にする必要があり、数十年後に続発緑内障を起こすリスクがあると診断された。同じ日、Aは9月2日の体育祭後からBとCに筆箱などを隠されたり、いやな呼び方をされたり、バッグを持ち去られたりといったいじめを受けていたことを保護者に報告。教頭、学年主任、担任がAの自宅でけがや事故の状況、いじめのようすなどを聞き取りした。
その情報をもとに15日、学校でB、Cそれぞれから聞き取りを行ったところ、Dもいじめに加わっていたことがあり、加害生徒は少なくとも3人いるとわかった。その後も加害生徒らに対し事実確認を進めた。
19日の診察でAは医師から登校してもいいが運動は登下校ていどにとどめるように言われた。20日、Aの父は市教委に第三者委員会の開催を要請。21日、学校全校集会を開いて校長から生徒に事故を説明し、夜は保護者説明会を開いて事故について説明、謝罪した。Aは26日から登校し、28日にも受診して運動制限はなくなった。
ほかにもいじめはなかったかさらに調査を進め、第三者委員会の燕市いじめ防止対策等専門委員会を開く準備を進め、仲野教育長は「12月上旬に開催できるように調整したい」との考えを示した。
これまで担任はいじめという認識ではなく、からかいやふざけはそのつどやめるよう指導、注意した。仲野教育長は「結果的にいじめにつながり、さらにけがにつながったことは重く受け止めている。子ども同士のふざけあいやちょっかいは学校のなかではありえることだが、度が過ぎるといじめになるという認識で子どもたちのようすを見守るのが必要」と述べた。
さらにそれまでの対応が「甘かったというか、きちんと見守るというような視点が必要だった」、「きちんとした指導があれば、今回のような事故につながらなかった可能性はある」と不十分な対応があったことを認めた。
(佐藤)