新潟県三条市立長沢小学校の3、4年生が29日、来春にサケの稚魚を放流するための事前学習として、五十嵐川漁業協同組合の五十嵐川鮭鱒共同ふ化場でサケの採卵作業などを見学した。
三条市が加盟する信濃川火焔街道連携協議会(会長・長岡市長)が、縄文時代の重要な食料資源だったサケを、現在の信濃川とその支流によみがえらせることを目指して、地域の小学生とともにサケの稚魚の放流をする「カムバックサーモン事業」を行っており、長沢小学校が来春3月に同事業に参加することになっている。
この日、同校の3年生17人と4年生20人の計37人の児童が事前学習を行った。五十嵐川漁協の飯塚喜一組合長と児童数人に、縄文人の衣装を着てもらい、親サケの捕獲、採卵、受精、卵の洗浄など児童が放流する稚魚の誕生前までを見学し、飯塚組合長に「サケの一生について」を聴いた。
捕獲は、五十嵐川の渡瀬橋上流に仕掛けられた「ウライ」を見学。児童たちは、体長50センチほどのサケが岸にあげられると、いっせいに覗きこみ、大きなサケの様子を観察。採卵の見学では、サケのおなかを刃物で裂いて、オレンジ色の卵が流れ出ると、「わーっ」と歓声があがった。
ふ化のため水槽に入れられた卵は堅く、ピンポン玉のようにはねるという。イクラとの処理の違いや、ふ化までの水温との関係など、飯塚組合長の説明を真剣な表情で聴き、学習メモに書きこんだり、質問をしながら理解を深めていた。
(坂井)