サケで知られる村上市で1日から20日まで初春を待つ「越後村上鮭(サケ)塩引き街道」が行われ、市内の庄内町や小町坂周辺の軒下に下がり始めた。
城下町の村上に今も残る町屋では、師走になると家々の軒下に村上の伝統文化の塩引き鮭が下がり、街道のように連なる。10月下旬から市街地の北側流れる三面川をさかのぼるサケの漁が行われる。
村上の塩引き鮭は、腹の一部をつないだままにする「止め腹」と呼ばれる独特の切り方で、頭を下にしてつるすのが特徴。村上の季候、風土のなかで熟成して村上ならではの塩引き鮭が生まれる。
抜けるような青空が広がった2日、塩引き鮭を下げるピークはこれからだが、あちこちの町屋の軒下に塩引き鮭が並んだ。村上市役所わきの市役所通りで開かれた六斎市では、塩引き鮭を売る鮮魚店があった。「なんで村上の塩引き鮭はうまいの?」と店主と話しながら塩引き鮭を求める観光客もいた。
そこから歩いてすぐの国の重要文化財の若林家住宅にも塩引き鮭が下がり、至るところでサケのまちを感じられる季節だ。
(佐藤)