五輪3大会連続出場を果たした日本マラソン界のレジェンド、宇佐美彰朗さん(75)は新潟県燕市、旧吉田町の出身。11月11日、燕市PR大使に就任した。感無量と言うのは大げさだが、2つの願いがかなった。宇佐美さんの燕市PR大使就任と大河津分水路を会場にした燕さくらマラソン大会の実現だ。
宇佐美さんは五輪でメダル獲得は果たせなかったが、1968年のメキシコ大会からミュンヘン大会、モントリオール大会と3回連続で五輪出場を果たした。燕市は2013年から燕市PR大使を任命し、宇佐美さんで6人目となったが、その顔ぶれを見ても今まで宇佐美さんが入っていない方がおかしいくらいだった。
2020東京オリパラが迫るなかで宇佐美さんの燕市PR大使就任はタイムリー。ただ、燕市PR大使ではなく燕市名誉市民という選択肢もあるのではと話してきたので少々、残念な感じもする。燕市は東京オリパラでホストタウンやつばめ東京オリンピック・パラリンピックプロジェクトにも取り組んでいるだけに、ここで宇佐美氏を名誉市民にしてアドバルーンを揚げて燕市をどかんとアピールする手もあった。
そして2019年4月20日(土)に大河津分水路を会場に開かれる燕さくらマラソン大会。ことしで第4回になった見附市で開かれている見附刈谷田川ハーフマラソン大会がヒントだった気がする。この大会は2004年の7.13水害でも大きな被害をもたらした刈谷田川の河川改修を記念して堤防の道路などをコースに始まった。燕市なら同じような形で大河津分水路で開催できるはずだと思った。
燕市は毎年、燕マラソン大会を開いてきた。スポーツランド燕を会場にその周辺をコースにしているが、スタートしてすぐに選手が見えなくなってしまうが、大河津分水路ならしばらく選手を見ることができるし、対岸を走る選手のようすも見え、観戦の楽しさが増す。堤防の道路を使えば交通規制もそれほど難しくない。大動脈の国道116号も下をくぐる道がある。
なによりも大河津分水路のPRにつながる。大河津分水路の建設は日本の治水事業の先駆的な役割を果たした近代土木工事で、国内産業の近代化を支えた遺産として経産省の近代化産業遺産に認定されている。
開催日を同じ場所で開かれる分水おいらん道中の前日に設定するというアイデアは思いつかなかった。大河津分水路の桜土手は「日本さくら名所100選」に選ばれている。そのリバーサイドコースを走るわけで一挙両得どころか、これまでの燕マラソン大会に比べて地域の資源を生かした何倍も魅力的な大会になるはずだ。
11月1日から19年2月28日まで参加者のエントリーを受け付けている。12月初めまでの申し込みは約300人と順調。ふるさと納税を利用した申し込みも受け付けている。弥彦温泉「四季の宿 みのや」は燕さくらマラソン大会用に宿泊の限定プランも用意。
(佐藤)