新潟県三条市の市長選挙で無投票で4選を果たした国定勇人市長が4日、任期最初の三条市議会本会議で所信表明演説を行い、「市長就任以来続けてきたこのまちのデザインを皆様とともに仕上げていきたい」と4期目の市政運営の基本的考えを示した。
国定市長は、三条市に赴任してきた15年前、「よそ者」であるがゆえ、より鮮烈に感じたかけがえのないこのまちの価値を次の世代に確実に引き継いでいくため、とりわけこの4年間は、まちの持続可能性を獲得するうえでのもっとも大きな問題である人口減少・少子高齢化への対応に力を注いできたと述べた。
そうした市長就任以来の取組がようやく実を結びつつあるとし、人口減少の大きな要因である15歳から24歳までの若年世代の流出が大幅に減少するなど、各世代ではっきりとした改善がみられていることなどをあげ、「少し前には、遥か彼方にあったこのまちの持続可能性を私たちはあと一歩で手に入れられるところまでやってきました」。
「このあと一歩を乗り越え、持続確実なまちのデザインを仕上げるため」として、3つの処方箋としている「このまちの基礎体力向上させる」、「人を去らせず、来たる人を追い求め、歓迎する」、「人口減少社会、少子高齢化社会と共存する道を歩む」に引き続き全力で取り組んでいくとした。
さらに、教育・子育て政策の更なる展開、「ものづくりのまち」の更なる深化、健幸都市の更なる挑戦、安全・安心な暮らしへの更なる追求、すべての人々の尊厳の確保。若年層の転出抑制、若年層の転入促進、自然動態改善への挑戦。「高齢者」概念の転換、「社会インフラ」概念の転換、「一極集中」施行の転換として、3つの処方箋の中身を示した。
むすびでは、「ここに住まう方々将来にわたって幸せに暮らし続け、そして三条市民であることを誇りに思い続けて頂けるよう、市長就任以来続けてきたこのまちのデザインを皆さまとともに仕上げていきたいと切に願っています」、「その責任と覚悟の下、議会の皆様をはじめ市民の皆様と真摯に議論を重ね、精一杯努力してまいる所存でございます」として理解と協力を求め、約20分間の演説を締めくくった。
(坂井)