県立新潟県央工業高校(木村栄校長・生徒444人)の同窓会(梨本正實会長)は10日、今夏の猛暑を受けてクーラー設置を検討していた同校PTAに対し、創立105周年記年事業として設置費用約1,500万円の支援を行う目録を贈呈した。
午前8時45分、同校の講堂で目録贈呈式を行い、整列した生徒を前に、梨本会長が田崎賢治PTA会長に、普通教室12室を含めた計15室16台分のクーラー設置費用1,500万円の目録を手渡した。
県立高校の教室のクーラー設置については、教育委員会ではなく、ほとんどでPTAが設置、運用しているという。同校PTAでも設置の検討は行っていたが、学級削減などによって保護者負担が大きくなることから課題となっていた。
同窓会では、2013年の創立100周年の際、記念事業として総合トレーニング場建設とクーラー設置のどちらかを選択してほしいとPTAに相談し、トレーニング場の建設が実現。その後、同校は2度、スポーツ年間最優秀校受賞などの成果につながっているという。
そういった経緯もあるなか、災害ともいわれる近年の猛暑により、生徒の健康被害を出さないための緊急の取組が必要と検討し、11月の同窓会常任委員会で105周年記念事業としてPTAへの財政支援を決定。事業費は、これまでの周年事業残金の積立や常任委員の募金などを充てることにしている。
PTAは、同窓会の申し入れを受けるとともに、設置工事、運用、メンテナンスをPTAと学校が共同で行うという運用方針を決定して、事業主体として県教育委員会に許可申請を行い、11月29日付で許可がおりたことから、この日の目録贈呈式となった。設置工事は今後、順次進め、来夏には運用を開始できる予定だ。
梨本会長は、贈呈式のあいさつで「部活動に加えて、学習活動にも力を発揮して頂きたい」と期待した。
(坂井)