新潟県内の公立高校で唯一カヌー部のある燕市・県立分水高校(中川佳代子校長)は15日、燕市分水公民館でカヌーのPRイベント「カヌーの魅力 再発見!」を開き、カヌースプリント日本代表で五輪強化指定の當銘孝仁(とうめ たかのり)選手(25)とワイルドウォーター日本代表の本田圭(ほんだ けい)選手(29)を迎えてトークショーなどを行った。
若者の主体的な活動の応援や燕市の将来を担う人材を育成を目的とした活動を資金的に支援する燕市羽ばたけつばくろ応援事業の助成を受けて行った。県教委が県立高校の将来構想を検討するなか、特色化によって分水高校の存続に取り組んでいる背景がある。
国体でも活躍しているカヌー部はすでにある分水高校の大きな特色。部員は30人、1、2年生で22人を数える。
當銘選手は沖縄県出身で2020東京五輪のカヌー競技日本代表に最も近い選手とされる。本田選手は地元燕市出身で分水高校カヌー部(当時はカヌー愛好会)のOG。トークショーにはカヌー部前主将の3年生青木風雅さんも加わって3人で行い、それぞれカヌーを始めた経緯や印象に残るレース、来シーズンの展望、カヌーの魅力などについて話した。
當銘選手は、インターハイ決勝前日にホテルのプールで泳ぎまくって当日は発熱しながらも優勝したというエピソードを初めて披露したほか、父と関係が悪くいつか見返してやろうという思いがモチベーションになったことも含めて「頑張れる理由は多い方がいい」、青木さんの言葉を受けて「ハングリー精神はつくれるものじゃないから」とも。
本田選手はインターハイのスプリント種目で練習不足から転覆したことに「練習不足はこんなにも自分に自信を与えてくれないと思った」、いちばんうれしかったの3位入賞した新潟国体で「真っ先に母を探して抱きついた」と当時の感動を思い出し、来年4月には三条市下田地区の五十嵐川で行われるジャパンカップに向けて関係者と選手の両方で準備しており、「たくさん皆さんに見に来てほしい」と願った。
青木さんは来年は大学生になってシニアとして戦うので、「いつか當銘選手と戦うかもしれないので、負けないように頑張りたい」と述べた。来場者は関係者を除くと25人ほどにとどまったが、3人の率直なトークに興味深く耳を傾けていた。
トークショー以外にも、エルゴと呼ばれるトレーニングマシンを使ったカヌーのパドリング体験、カヌー日本代表のユニホームや部員が使っているカヌーの展示も行い、中川校長もエルゴマシンをチャレンジしてバランスをとる難しさを実感していた。
(佐藤)