「大口れんこん」で知られる新潟を代表するレンコン産地の長岡市中之島地域では、正月の縁起物とされるレンコンの出荷が最盛期を迎えている。
「大口れんこん」を栽培するJAにいがた南蒲大口れんこん生産組合(72組合員)では、8月から10月下旬にかけて収穫する早生品種「エノモト」と、10月下旬から3月にかけて収穫する「ダルマ」を生産。
品種名も縁起のいい「ダルマ」は、地域の在来品種で、中之島地域が全国唯一の産地。皮をむくと中は白く、煮ても黒くならない白肌と、しゃきしゃきした歯触りが特徴。
レンコン(蓮根)はハスの地下茎で、穴の開いた形から「先が見える」、「見通しが開ける」縁起物として正月料理にも欠かせない一品で、12月中旬から出荷の最盛期を迎えている。
最盛期は午前6時半から収穫作業をしているという大口れんこん生産組合副組合長の徳坂明仁さん。明け方の最低気温が3度ほどだった26日も家族で作業に追われていた。
収穫は、水のはられたレンコン畑に、長靴から肩まで一体となったウエットスーツのような素材の「胴付」(どうつき)」を着て入る。水圧でレンコンを掘る「掘りまるクン」という機械を使い、水面と平行に埋まっているレンコンを泥の中から浮かび上がらせ、引き上げて、泥を洗い流す。
出荷作業は、さらに機械で洗浄し、レンコンの節や毛(根っこ)を包丁で切り落として、箱詰めする。
収穫作業は、前かがみになってレンコンを引き抜いたり、水圧のかかるホースを手に持っているなど重労働。寒い冬に冷たい水の中での作業だが、汗をかき、昼休みにはいつも着替えるという。
気温が高く天候に恵まれたことしのレンコンの品質は良く、「美味しさがギュッと詰まったいいレンコン」と太鼓判を押す徳坂さん。平成最後の正月は、「のっぺ」に入れるなど体にいいといわれるレンコンを食べて、しっかり休んで、新しい年もがんばってもらいたいと話していた。
(坂井)