新潟県燕市の鈴木力市長は官公庁仕事納めの12月28日、職員に対して年末の訓示を行った。ことしはなんと言っても燕市で行われた日曜劇場「下町ロケット」の大規模ロケ。鈴木市長は「良い方向に向かっていた」、「下町ロケット効果で最後は良い年で締めくくれる」と特別な1年だった。
鈴木市長は午後4時半から市役所で幹部職員をはじめ百人余りの職員を前に訓示した。まず、年初に「燕市にあっては成長し続け良い年になるように」と話したことし1年を振り返った。年初め早々に数十年来の豪雪、夏は災害級の猛暑に見舞われたが、「全体的に見れば良い方向に向かっていた1年だった」。
長年、利活用問題が停滞してた燕工業高校跡地には、特別養護老人ホームと燕北多目的武道場が完成した。東部学校給食センターが完成した東西の給食センターが整った。十数年来、止まったままだった長年の懸案の国道116号吉田バイパスは、ことし3月に国の計画段階評価が行われて第三者委員会で認められ、いよいよ本格的な都市計画決定の作業に移ってた。
ことし3月には大河津分水路改修事業起工式が行われた。産業史料館のリニューアルに着手した。弥彦村との水道事業の統合は「順調過ぎるぐらい順調」に進み、来年4月には燕・弥彦総合事務組合に業務を移管して一体となって進める。
ソフト事業では子どもの貧困対策という「非常に大きな重要な課題」に着手。いろいろな業種に横断的な課題として人手不足があるが、燕の産業界では箱物の産学協創スクエアができ、そのなかでインターンシップ事業が行われ、通算400人の学生が参加。介護職や保育士でも新しい事業を打ち出した。
そして秋は「下町ロケット」の大規模ロケ。10月から毎週、燕市が全国に放送されて波及効果を生み、ふるさと納税は「担当者が毎日のように領収書と礼状の袋詰めに追われている状況」。コメや燕製品のブランドのイメージも高まり、「下町ロケット効果で最後は良い年で締めくくれる」とし、ロケにかかわった職員の頑張りに感謝した。
その結果、「良い方向にもっていこうという当初の目的は達成できたのかなと思う」と喜んだ。
一方でここ数年、課題にしているのが業務の継続性。ベテラン職員の大量退職と人事異動で業務が停滞しないよう、マニュアルや引き継ぎ書をしっかり作って着実に次の人たちにつなげ、組織で学び合い、教え合う職場をつくろうと言ってきたが、「残念ながら引き継ぎがうまくいかなかった課題を残す事例が発生した」と認めた。ことし5月に学校給食でアレルギー症状が出たことを指したようで、この点は「来年以降の継続課題」とした。
平成最後の年末年始を迎え、有意義な時間を過ごすよう願うが、一方で公務員としての立場をわきまえた節度ある行動を求めた。
1月2日に「下町ロケット」の最終回があり、また燕市がふんだんに登場すると思うので、「それを見て新年また大いに盛り上がった雰囲気のなかで1月4日、皆さんと元気な姿で会いたいなと思う」とし、あらためて職員に感謝し、「どうぞ皆さん良いお年を迎えてください。本当にありがとうございました」と締めくくった。
(佐藤)