新潟県長岡市和島上桐出身で柏崎市に住む書家、小黒哲也さん(45)の新春書展が、1月5日(土)から2月3日(日)まで故郷の長岡市島崎にある道の駅「良寛の里わしま」の「お休み処 和らぎ家ギャラリー」で開かれる。
小黒さんは県立柏崎高校教諭で、新潟県美術家連盟常務理事、新潟県書道協会理事を務める。新春書展は毎年恒例でことしで9年目。3尺×6尺のパネルを6枚連ねた縦1.8×横5.4mもある作品をはじめ、大作がずらりと並ぶ。
現代的な書で漢詩もあるが、自身で考えた言葉を書いたものも多い。「後悔先に立たずというがやってみなけりゃわからない」、「知ったかぶりは知らない証拠 知らんぷりは知っている」と書いたり、茶道や武道で師弟関係のあり方を示す「守破離」という言葉の前に「基本も大切だけど」、後ろに「守ってばかりいてはダメだ」と自分の言葉を加えたりした作品もある。
さらに表具屋に頼まずに額にも絵や彩色を施したり、3枚のパネルを三角柱に組み合わせたり。既成概念にとらわれず書を自己表現の手段として強いメッセージを放っている。
開幕前日の4日は、夫婦で会場を訪れて展示作業を行った。年に7、8回ほど作品を発表する機会はあるが、展示するのは1、2点。しかしここでは会場の構成から作品まで、すべて自分で考えた通りに実現できる。「1年間やってきたこと、いま思っていることをやれるのありがたい」と小黒さん。「大変だけれど、私も勉強をさせてもらっている。続けていくことが励みにもなる」と話している。
毎週火曜は休館。午前9時から午後4時まで開館、2月3日は午後3時まで。入場無料。
(佐藤)