官公庁仕事始めの4日、国定勇人三条市長が市役所で職員を前に、キーワードは「情報」とする年頭のあいさつを行った。
国定市長は、「人口400人にしかすぎないロマネコンティに人口10万人の三条市が負けるわけにいきません。人口7千人のランボルギーニの本社がある町に10万人の三条市が負けるわけにいきません」と高校生に話しているという例も紹介しながら、「なにもかもキーワードは「情報」だと思っています」など、平成31年の初めというよりは平成最後の年の御用始のあいさつとした。
元号の変化について、時代を大きく変えるエネルギーを持ち、ひじょうに大きな時代の流れの節目を表しているとし、昭和から平成にかけての大きな変換軸は「画一化から多様化」の大きな価値観の変化。自身が勝手に占う変化として、平成は「情報の開放」と話した。
国定市長は、すでにネット社会が定着されつつあるが、いよいよ情報の非対称性(売り手と買い手の情報に差があること)からの開放が社会全体に蔓延し、常態化し、それに基づいてすべての制度やサービスが構築されていく世の中になっていくのだろうと思う。そういう意味では、情報の非対称性だけで食ってきた人たちは自分たちが意識して、自己変革をしていかなくてはいけないとの考えを示した。
行政はその最たるものとして、行政に携わっている中の人間の方が情報をより多く持ち、それそのものに価値を見出して、それを細分化するだけで行政サービスを執行できた時代だったが、平成が始まった30年前とは格段に変化が生じ、今この時代にあってはむしろ、市民のみなさんの方が情報をもっている。
そのなかで生き抜いていくための最後の武器は、有能さ、頼りがい、正直さの3つの期待値で得られるようになるという「信頼」とし、「有能さはもとより頼りがいを持たれる公務員として、そして正直さが売りの公務員として日々の仕事にあたって頂きたい」。
さらに、「もう1つは、情報というものに敏感になっていかなくてはならない。その情報の良し悪しで人々の評価が決まってしまうのも今の新しい時代の特徴」とした。
高校生にわかりやすく話している例として「三条市はヨーロッパの地方都市を目指すべきとしている」。ランボルギーニの本社は人口約7,000人の町に本社がある、ロマネコンティは人口400人の村に本社がある、シャネルは61,000人、バカラ5,000人と紹介。
三条市よりもはるかに人口規模が小さいまちで、私たちでさえ知っている製品を作り続けている。その武器は、情報の管理の徹底だったと思う。質のいい情報だけをしっかりと権利と義務の関係を駆使して、行使をし続けた結果とし、「世界中に、私たちでも憧れだと思いを抱かずにはいられないというふうな情報を上手に編み込んでいく。そういうことに私たちは学びの姿勢を持っていかなければならない」。
「情報の非対称性(売り手と買い手の情報に差があること)に頼ることがなくなった我々が生きる道は、信頼をしっかりと取り戻すこと。獲得し続けていくこと。それも含めて情報という価値にあらためて、わたしたちは価値を見いだし、新たな一歩を踏み出していかなくてはいけない」と話した。
最後は、「お互い、ハッピーな1年になるように、自らの努力で切り拓いていこうではありませんか」と、輝かしい平成31年を祈念した。
(坂井)