「成人の日」の14日、新潟県燕市の吉田地区老人クラブ連合会(平原厳一連合会長)は「シニアセンターよしだ」で恒例の熟年成人式を行い、還暦の60歳でリセットしてから20年の80歳の会員を対象に、2回目の成人と5月には3つめの元号を生きる長寿を祝った。
成人式がなかった時代に生まれた人たちから、還暦で年齢をいったんゼロにして新たに20年のはたちを迎えた人かに成人式をと毎年恒例の行事で、ことしは第24回。1938年(昭和13)4月2日から翌39年4月1日まで生まれた会員、男27、女52の計57人の対象者のうち、男20人、女18の38人がスーツや和服の胸に紅白のリボンを付けて出席した。高齢化の進展で年々、対象者が増えているが、ことしの対象は昨年の72人より15人も少なかった。
記念撮影のあと式典を行い、国歌斉唱に続いて平原厳一連合会長が式辞で、「皆さんは今日まで立派に社会に貢献してきた自信と誇りをもってこれからも堂々と生き抜いてほしい」とエールを送った。
来賓の鈴木力燕市長は、最初の成人式を迎えた1958年(昭和33)は、東京タワーが完成し、聖徳太子が描かれた一万円札が発行され、美智子さまが婚約し、朝ドラ「まんぷく」の元ネタでもあるチキンラーメンが発売されたことを紹介。日本の高度成長期を支えてきた世代であり、「若い世代を代表して皆さまのご労苦に感謝申し上げたい」と述べた。
熟年成人者代表で渡辺サチコさん(80)=燕市溝=に記念品の飾り立てと手折り鶴を贈り、堀裕恒さん=燕市吉田日之出町=が謝辞。堀さんは小学校1年生の夏に終戦を迎え、小学校の思い出として1クラスに1足の長靴が配給されることになり、クラス全体で話し合って通学距離がいちばん長い児童に長靴を配り、ほかの児童は雨の日も雪の日もげたで登下校したことを話した。
その後、生活は豊かになった。堀さんは成人式のときは三条市に住んでいたために案内が来なくて出席できなかっただけに「平成という時代の最後に成人式に出席でたきことに感謝する」、来年は人生2回目の東京五輪・パラリンピック、6年後は大阪万博と「楽しみが増え、よりいっそう健康長寿を心がけたい」と述べ、式典後はアトラクションに移った。
(佐藤)