住居・余暇関連用品卸業の外山産業(株)=外山晴一社長・新潟県三条市南四日町4=をはじめとする外山産業グループは12日、同社敷地内に建設した高断熱・高気密・耐震・防火に優れた木造パネル工法によるZEH(ゼッチ)のモデルハウス「メッツハウス」をオープン。消費者へのPRはもとより、地元ビルダーや中小工務店にZEH対応の工法を提案していく。
前日11日に開かれたプレオープン式で、出席した関係者に「メッツハウス」の技術説明などを行い、太陽光パネルで発電し、電気自動車で蓄熱して電気を取るという「エネルギー自給自足、光熱費ゼロ」のモデルハウスを披露した。
「ZEH」は、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略。同社によると、今後の住宅の方向性の1つとして、家庭で消費するエネルギーと創出するエネルギーの収支をゼロにする「ZEH」化が推し進められており、国は2020年にZEH普及率50%の目標を掲げている。すでに大手ハウスメーカーはZEH仕様を充実させているが、同社の取引先でもある地方のビルダーや中小工務店は取り組みが遅れていると言わざるをえない状況とし、現状では顧客のZEH住宅の要求に応えられるところが少数と言う。この状況を、ともに打開しようと「メッツハウス」事業を展開する。
「メッツハウス」は、グループ企業の(株)メッツが旭化成建材(株)から技術指導を受けてつくる。住宅の屋根や壁や床は、高性能な断熱材を使った木造パネルで、同社は注文住宅にあわせた木造パネルの設計や製造素材の調達、木造パネルの製造、建築現場での上棟までの木造パネル施工。機密工事及び機密性能の測定まで行う。
外山社長はあいさつで、「メッツハウス」は、省エネのために求められる高気密・高断熱については、1平方メートル当たりのすきまが0.456平方センチメートルと業界トップクラスで、家のすきまをなくし、エネルギーを出す方の住宅設備機器は各メーカー最新鋭の省エネ機器を使っている。
「創エネ」は太陽光発電、「畜エネ」は電気自動車のバッテリーを使用。高気密のためスギ花粉や黄砂などをシャットアウトし、家に持ち込まないために入口にエアーシャワーを設置。防音性も高く、パネル工法のため地震にも強く、外壁材は不燃性の素材を使用した。
さらに、ZEHの日本での歴史的背景や現状などを説明し、中小工務店のZEHへの取組の遅れを指摘。「大手の下請けになるか廃業しかありません」、「そこに納入している私ども住宅設備問屋や地方問屋の仕事は無くなります。また、住宅設備メーカーは大手ハウスメーカーの下請けになり、全国に展開しているショールームは無用の長物と化します」と危機感を示し、「「ZEH」の家「メッツハウス」は工務店様、住設メーカー様、われわれ住設問屋がこれから生きていく道であると確信しています」と話した。
(坂井)