新潟県中越地区の学校で書道を教える教諭や教えたことのある教諭を中心とした刻字のグループ展、第2回刻字展「刻一刻」が1月27日(日)まで見附市民ギャラリー「ギャラリーみつけ」で開かれている。
元小千谷高校教諭の書家、丹羽信男(雅号・芝水)さん(72)を指導者的立場に14人が学ぶ刻字の勉強会。刻字が高校書道の教科書にひとつのジャンルとして載るようになり、刻字の経験のない教諭が自身も刻字を手がけることで自信をもって指導できるようにと、20代から刻字に親しんでいた丹羽さんに指導を頼むようになって始まった。
今も年に十数回、学校を会場に日曜に勉強会を開いている。7、8年前に長岡市と新潟市の2会場で刻字展を開いて作品を発表し、今回が2回目。全員が出展し、合わせて44点を展示している。
刻字は文字通り書を木や石、金属などに刻むこと。古くからあるが、現代では自分で書いた文字を刻むアートとしてとらえらている。展示作品はのみで文字の部分を彫ったり、逆に文字以外の部分を彫ったり、着色したり、金箔を張ったり。額縁でも作品の一部として表現したりと、書道と比べると圧倒的にバリエーション豊かで奔放だ。
展示作品には、刻んだ文字とあわせて、作品に込めた思いをひと言、サブタイトルのように添え、初めて刻字を鑑賞する人にもとっつきやすいように工夫した。
会員のひとり、県立三条東高校で書道を教える三条市出身で長岡市に住む金子達夫(雅号・嵐川)さん(49)は、2018年は第37回日本刻字展で日本刻字協会理事長賞、新潟県芸展では会員賞を受ける実績をあげている。
丹羽さんは日本刻字協会理事・審査会員、全日本書道連盟正会員、新潟県書道教育研究会事務局長など要職に就く。「中国語で“刻一刻”は、ちょっと何々をやってみようという意味がある。難しく気軽なイメージでやってみようと始めた。筆を持つ次のステップに次の表現があっていい」と言う。
「のみを生かした力強いものもあれば、墨のかすれまで表現したものもある。着色によって白黒と違う世界が表現でき、その人の思いをはっきり出せる」と刻字の魅力を話している。入場無料。出品作家は次の通り。敬称略。
【出品作家】▲丹羽芝水(元小千谷高校)▲矢尾板素子(栃尾高)▲横山朋子(三条高)▲小林青楓(開志学園高)▲坂大優一(十日町高)▲金子嵐川(三条東高)▲関守雪(長岡明徳高)▲高野幽雪(長岡農業高)▲佐々木弘順▲谷江歩美▲和田竜空(加茂市立葵中)▲遠藤波秀子▲古澤翠淵(新津高)▲佐藤雅代▲市川恵