新潟県燕市は1月20日、燕市中央公民館で経営戦略としての「ワーク・ライフ・バランス」と「女性活躍」の推進をテーマに「つばめ・やひこ女性活躍推進フォーラム」を開き、約80人が参加して、つばめ輝く女性表彰、基調講演、取り組み事例発表が行った。
つばめ輝く女性表彰は今回で3回目。すべての女性が輝いて活躍しやすい環境づくりを進めるため、身近なモデルとなる女性個人や事業所や団体を表彰するもの。つばめ輝く女性賞としてフジイコーポレーション株式会社の清水有希さん(30)、NPO法人日本車いすダンススポーツ連盟新潟県支部の小林香織さん(34)、つばめ輝く女性応援賞としてコーダ工業株式会社(幸田憲雄代表取締役・燕市吉田下中野)の2人と1社に鈴木力市長から表彰状と金のプレートを贈った。
清水さんは、フジイコーポレーションの営業部係長で、昨年も同社の女性社員が受賞している。学生時代に英語とスペイン語を身につけ、入社後は独学で韓国語を習得し、輸出国は10カ国から18カ国に、海外取引先企業は14社から32社へ増加した。
営業業務に生かせるのではと飛行機で1日近くもかかるフィンランドのサンタクロース村へプライベートで訪れたことも。入社半年で掲げた10年後の目標「海外営業に携わり、輸出・販路を開拓できる人材になり、地域に貢献したい」を7年で達成。若手女性社員の目標となり、今後は「スペイン語圏への輸出を実現し、今までお世話になったスペイン語圏の方々に恩返しをしたい」と業務に励む。
表彰式で清水さんは「今後は自分の仕事に励むだけではなく、人間の多様性が求められるような職場づくりに貢献できるよう努力していきたい」とあいさつした。
小林さんは、NPO法人日本車いすダンススポーツ連盟新潟県支部技術部所属。車いすダンスの普及を通じて障がい者と健常者をつなぎ、それぞれがいきいきと輝けるきっかけづくりに取り組んでいる。自身も車いすダンサーとして車いすダンス競技に取り組み、2012年の国際大会では日本人最高の4位となった。
熱心な普及活動と努力で現在、新潟県は全国的にも車いすダンスが盛んな地域になった。小林さんは車いすダンスで個人の多様性を認め、お互いを思いやる心、誰もが一人の人間として尊重され、男女が互いに対等なパートナーとして自分らしく生きることができることを体現しています。
表彰式で小林さんは、羽豆重村さんとペアを組んで海外で通用するような選手になるまで挑戦し続けようと取り組んできたと言い、「障害のあるなしにかかわらず、幅広い世代の方と協力し合って、同じチームをつくってスクラムを組みながら、燕市を力を合わせて地域づくりをみんなで一生懸命にやっていきたい」と述べた。
コーダ工業は、アルミ引き戸などを製造し、社員17人のうち10人が女性。女性の力を発揮できる機会と場所を提供、活躍を応援し、従業員の事情に合わせた勤務形態が必要としてフルタイム勤務や時短勤務を設定し、キャリアアップ応援のために資格取得の費用や研修受講料の負担を行い、ワーク・ライフ・バランスの実現、キャリアアップのできる環境をサポートしている。
女性社員の目線で心身エステを福利厚生の一部として取り入れ、リフレッシュして仕事に専念できる環境も提供、女性を応援する独自の取り組みが高い女性比率につながっている。
表彰式で取締役の堀真由美さん(45)は、「これからもこの応援賞に恥じないように金物製造業のみならず女性がますます活躍できる会社に成長していきたい」と話した。
表彰式後は、基調講演はNPO法人コヂカラ・ニッポン代表でNPO法人ファザーリング・ジャパン理事の川島高之さんが「イクボス式マネジメントの心得とは〜中小企業の5年後の持続可能性を見つける!〜」をテーマに講演。いずれも県のハッピー・パートナー登録企業の株式会社新越ワークス(燕市/製造業)、株式会社博進堂(新潟市/印刷業)、ドコドア株式会社(三条市/広告企画・デザイン業)の3社が事例発表を行った。
(佐藤)