2月21日(木)から24日(日)まで東京都台東区浅草1、台東区立浅草公会堂1階展示ホールで第1回全国金花糖博覧会「春をお砂糖人形展」が開かれ、各地から集まる金花糖とともに新潟県燕市で伝承される金花糖の天神講菓子も展示される。
燕市のほかには東京都の浅草、石川県の金沢市と小松市、佐賀県の唐津市から全国7社の金花糖、約100種類が集まる。燕市からは皆川菓子舗、さかたや、小松屋菓子舗の金花糖が展示される。
「天神(てんじん)」とも呼ばれる学問の神さま、菅原道真の命日の2月25日、各地で学業成就などを願う行事「天神講」が行われている。燕市では全国的にも珍しい天神講に供える道真や縁起物をかたどった天神講菓子が作られている。天神講菓子には金花糖、粉菓子、和菓子がある。
金花糖は溶かした砂糖を型に流し込んで固め、食紅などでで着色する砂糖菓子。主に分水地区と吉田地区の菓子店で製造されている。燕市では2010年から天神講菓子のPR、発信に務めており、おかげで天神講菓子を作る菓子屋は増えている。
博覧会を企画したのは、金花糖専門店で江戸駄菓子の株式会社萬年堂(東京都台東区下谷2)の代表取締役・鈴木真善さん。浅草芝崎町、今の西浅草三丁目は「菓子屋街」と呼ばれ、昭和40年代には74軒もの菓子屋があり、うち金花糖を作る菓子屋が8軒あった。
しかし今では東京の金花糖は萬年堂が唯一になってしまった。鈴木さんは金花糖の文化を絶やさずに伝えたい、それにはまず勉強をしようと全国の金花糖の産地を訪問して、各地の金花糖が生まれた背景や型などを学んだ。燕市へも5、6年前に訪れている。
全国を回って「金花糖への思いを大切にしている人ばかりで、どうにか金花糖を残したいと作られている」と感じ、数年前から博覧会の企画をあたためてきた。「毎年とは言わずとも次につなげていきたい」と、博覧会の継続とそれが金花糖の伝承の一助になることを期待している。
主催は実行委員会で燕市も後援する。午前11時から午後5時まで開場、最終日24日は午後4時まで、入場無料。初日21日は金花糖応援隊長として「笑点」の大喜利メンバーの落語家、林家たい平さんが来場。参加費500円、当日先着30人を対象に午後2時から絵付け、3時半から優勝者発表、スペシャルトークが行われる。
ほかの日も金花糖の絵付けのワークショップや土、日曜はギャラリートークも行われる。問い合わせは萬年堂(03-3873-0187)の鈴木さんへ。
(佐藤)