公益財団法人海外日系人協会は、1月6日から2月8日まで日本でJICA(国際協力機構)が主催する集団研修「食を通じた日系団体婦人部活性化」を実施し、南米から日系団体婦人部員8人が参加。1月25日から27日までの3日間は三条市内で研修している。
世界各地の日系団体婦人部の部員を対象に、食を通じた地域活性化のための婦人部活動に関する知識を習得してもらおうと毎年行っている事業。婦人部員を日本へ招いて日本食を中心とした調理技術、食を通じた特産品の開発や地域おこしの地域活性化に関する知識、所属団体が抱える課題解決手法を習得してもらっている。
今回は南米のブラジル4人、ボリビア2人、アルゼンチンから1人ずつの8人が参加している。各国日系団体婦人部の役員を務める日系二世か三世の40歳代から60歳まで。JICA横浜(国際協力機構横浜国際センター・神奈川県横浜市)に宿泊して日本語研修も含めて調理実習や着物、水引、ラーメン、和菓子など食を中心とした日本文化にふれている。
このうち3日間だけ首都圏を離れて三条市に宿泊して研修。25日は長岡市のしょうゆ醸造所・星野本店、三条市のステージえんがわ、包丁製造のタダフサで視察、研修した。
2日目の26日は三条市総合福祉センターで調理実習した。献立は新潟の郷土料理ののっぺや煮菜、車麩(くるまふ)の揚げ煮など。三条市食生活改善推進委員8人が付きっきりで指導した。
日系人とあって顔つきは日本人に近く、ほとんどの人は日本語もネーティブ並み。試食では、はしも不自由なく使いこなし、小皿の漬け物をはしの上下を持ち替えてつかむ人も。味にも大満足だったが、帰国して同じ献立を作ってみようにも「車麩が手に入らない」と材料の入手できないことを残念がっていた。
ボリビアでオキナワ移住地連合婦人会役員に就くタマシロ・サトエさん(54)「日本人はだしの取り方にこだわりがあると思う。自分の国では肉とジャガイモくらいし使わないのに、材料の種類もたくさんあって日本の料理はすごい」と目を見張り、盛りつけの見た目の美しさに対するこだわりにも感心。「材料はないけどやり方がこんなのもある、あんなのもあると勉強になる」とたくさんのことを吸収していた。
このあとは三条市下田地区へ向かい、南米ではめったに見られない雪やハクチョウの飛来地を見学したり、農家を視察、交流した。翌27日は朝から三条市で二・七の定期市と三条スパイス研究所を視察して三条市での研修の日程を終える。
(佐藤)