「節分」の2月3日夜、新潟県三条市で若者有志による鬼退治イベント「鬼の逆襲 The Demon Strikes Back」が行われ、参加した小学生は現代感覚の鬼退治に夢中になった。
20歳代の有志十数人が行ったもので、プロのメークが化粧したり、面をかぶったりして鬼役を演じた。鬼をやっつける武器はボール。鬼が奪おうとする宝物を守るという設定で、鬼から身を隠すための跳び箱も会場に設置した。
電気を消して真っ暗にした会場で、鬼たちはおどろおどろしいBGMとともに雄たけびを上げて大暴れ。ピエロや何かのキャラクターような鬼もいたが、参加した燕三条地域の小学生15人は、ちょっぴり鬼を怖がっている子どもも懸命にボールを投げて鬼を退治した。
守りきった宝箱の中に入っていた菓子を子どもたちで分け、最後にあらためて伝統的な豆まきにならって「鬼は外!」と声を合わせて鬼に落花生をぶつけたり、記念写真を撮ったりした。新潟市立中之口西小学校4年の大沢多由さん(10)は「あんまり怖くなかったけど、お菓子もいっぱいもらえて楽しかった」と話していた。
この企画の言い出しっぺは山口出身で三条市に移住した会社員水沼樹さん(26)。昨年暮れに英国のロックバンド「クイーン」の曲を聴いて盛り上がるイベントを企画した。今回も知り合いに声をかけ、燕三条地域でアクティブに活動する若者、移住者が協力しようと名乗りを上げた。
「友だちと酒を飲むとかいろんな遊びがあるけど、少しのお金を出し合って子どもたちに楽しんでもらえれば、ぼくらも楽しい。きょうは子どもたちに遊んでもらった感じ」と水沼さん。「イベントを通じて新しい人と知り合うこともできた。また何かやるときは真っ先にみんなに声をかけようと思います」と言い、“水沼企画”はまだ序章のようだ。
(佐藤)