学問の神とされる菅原道真の命日2月25日に、子どもの健やかな成長や学業成就、合格祈願を込めて行われる天神講がことしも近づいてきた。新潟県燕市では、全国的にも珍しい天神講に供える砂糖菓子の金花糖や粉菓子の製造が伝承されている。
木型で道真や縁起物をかたどって作られているが、写真は招き猫とイヌをかたどった金花糖だ。どこかひょうきんな感じがしないだろうか。あらためてじっくり見れば、いずれもまゆ毛が描かれているのに気づく。
イヌやネコにいたずらして、マジックでまゆ毛が描かれることがあるが、それを地で行くようなデザイン。おそらく木型にはまゆ毛までは表現されてなく、着色のときの菓子職人の裁量でまゆ毛が描かれているものと思われる。
たまたま、まゆ毛が描かれているのをあげつらってと言われるかもしれないが、複数の菓子店がそれなりにまゆ毛を描いている。天神講菓子には始まりの菓子店があって、それにならって広がったはずで、元の天神講菓子にあったまゆ毛をほかの菓子店もまねたのだろう。それにしてもまゆ毛があるのをおかしいと思わなかったのだろうか。
ネットで調べると本物のイヌ、ネコにも、わずかにまゆ毛を確認できるらしい。しかし、それをわざわざ天神講菓子で誇張して表現したとは考えにくい。最近、燕市外の菓子店が作る天神講菓子を見かけたが、まゆ毛まで再現していたかどうかは確認していない。まゆ毛は燕市が「越後つばめの」と冠してPRする燕の天神講菓子のユニークな特徴のひとつだ。
(佐藤)