平成20年度(2008年4月)から完全米飯給食を実施してきた三条市は、今年度中に5回、10年ぶりに給食にパンと麺を提供する取組を実施しており、2月は三条産の小麦を使ったコッペパンを提供している。
「日本の主食・米について、米粉を利用した食品を学校給食で提供することにより、粒と粉の違いについて学べるようにし、米飯給食への理解をさらに深める」、「わたしたちの住むまち・三条を知る」ための教材として三条産の小麦を使用したパンとカレーラーメンを提供し、ふるさと三条への愛着と誇りを深める」ことを目的として、小中学校の給食の主食を今年度は5回のみパンと麺にした。
内容は、5月に米粉パン、7月に米粉麺、10月米粉パン、12月三条小麦麺のカレーラーメン、2月は三条産小麦を1割使用した三条産小麦入りパン。
三条市の小学校19校と中学校8校、大崎学園の計28校の給食を作っている8つの調理場がそれぞれの日程で提供している。
今年度最終回の2月。5日に三条産小麦入りのコッペパンが登場した月岡小学校(石井正文校長・児童336人)では、ハクサイのフレンチサラダ、タンドリーチキン、カボチャのポタージュの献立。
卒業まで約1ヶ月となった6年1組の教室はこの日、「六送会の6年生ありがとう月間」の一環で、5年生といっしょに給食を食べた。放送で流れる三条市産の小麦を使っているというパンの紹介や、「パンも味わってほしいですが、お米も作っているので、給食がパンの日は、朝食と夕食は家で三条産のお米を食べてください」というメッセージの紹介を聴きながら味わった。
ジャムやバターはついていないので、パンをそのまま食べたり、パンの真ん中を割ってサラダをはさんだり、ポタージュに浸して食べたりとそれぞれのスタイルで残さず食べていた。
いつもと違った給食への反応は、「うまかったー。パンとポタージュがおいしかった」、「うれしい。もっとパンが出てほしい」、「パンとか、たまにあったらいいな」、「パンはおいしい。ごはんより早く食べられた。ちょっと足りない感じもしたかな」と、パンを歓迎する児童が多かった。なかには「ごはんがいい。あったかいから」とごはん派の児童もいた。
担任教諭は、6年間で初めてごはん以外の給食となった日は、「シチューにつけていい?」、「ハンバーグをはさんでいい?」と質問が飛び交い大興奮だったと話していた。
三条市教育委員会によると、同取組については評判が良かったとしており、回数的には変えずに来年度も継続の見込みとしている。
(坂井)