新潟県燕市は「敬老の日」にちなんで毎年9月に市内の88歳(米寿)、95歳、100歳に対して敬老祝い品などを贈呈しているが、ことしから95歳を対象からはずすことにした。
鈴木力市長は14日行った来年度予算案に関する記者会見で、「95歳にどういう意味があるのかなと」、「年齢を重ねたことでお祝いするという時代ではないんじゃないかとやめていく自治体が増えている」と理由を話した。
燕市は88歳と95歳に祝い品と祝い状、100歳に記念品と祝い状を贈っている。昨年は88歳の祝い品に金属製ぐいのみ、95歳の祝い品に金属製タンブラーを贈り、100歳の記念品は銅器の茶みと茶筒のセットや寝具セットなど8品目の中から選んでもらった。
昨年の対象者は88歳488人、95歳118人、100歳22人で、敬老祝いの贈呈に伴う費用の総額は352万8千円だった。
ことしは95歳を対象からはずし、今のところ対象者は88歳は21人多い509人、100歳は15人多い37人で、予算は325万2千円。対象者が昨年並みなら50〜60万円の削減になる計算だったが、対象者は昨年より増えると見込まれるため、予算ベースでは27万6千円の削減にとどまる。高齢化が進んでいるため、対象を減らしたところで数年もたてば再び昨年並みの費用に戻りそうだ。
高齢化が進んで対象者が増加を続けていることから、敬老の祝いの対象者を減らす自治体が増えている。燕市は昨年から100歳は祝い品を中止した。燕市の調べでは、県内すべての自治体が敬老祝いの贈呈を行っている。燕市では少なくとも合併前の分水町は95歳も対象にしていた。95歳を対象にしている県内の自治体は加茂市、見附市、佐渡市。一方、新潟市、長岡市、柏崎市などは100歳だけを対象にしている。
(佐藤)