新潟県三条市で行われている遺跡発掘調査の速報展が2月14日(木)から3月24日(日)まで三条市歴史民俗産業資料館で開かれている。
三条市は毎年、その年度に行った発掘調査の成果を発表している。遺跡のある場所に道路や建物の建設が計画されると、工事前に遺跡の内容を確認する試掘、確認を調査を行わなければならない。その後、遺跡が失われる部分は発掘調査し、貴重な出土品を採取し、遺構を写真撮影や測量して記録、保存する。
今回は展示は今年度、発掘調査した江戸時代から明治時代の道である三条市と福島県只見町を結んだ八十里越、平安時代から室町時代の村跡の石田遺跡、縄文時代の印内原遺跡の最新の調査成果を紹介。試掘、確認調査した石田遺跡・鶴田ほか地区、合屋遺跡や工事立ち会いを行った無作遺跡など成果、復元した長畑遺跡の縄文土器も展示している。
下田地区の五十嵐川右岸側の印内原遺跡は、魚捕りの網のおもりの「石錘」が大量に出土し、盛んに漁が行われたことがわかる。出土した人面土器把手も展示している。
三条地区須戸新田地内の石田遺跡では、井戸や柱穴が検出された。見つかった炭化したコメを放射性炭素年代測定した結果、13世紀末から14世紀末ごろのコメとわかった。
八十里越は下草刈りを行ったところ、牛馬が荷物を運ぶために傾斜が緩やかな九十九折が良好な状態で見つかった。道に積んだ石や斜面を保護する石組も発見された一方、斜面が崩れているところも何カ所かあった。八十里越の高清水沢では、沢が崩れた影響で忘れ去られた下段の石組が発見された。
栄地区貝喰新田・福島新田地内の長畑遺跡では、これまで出土した縄文土器の復元に加え新たに復元した甕形土器2点も展示している。
2月17日は展示説明が行われ、約20人が参加した。また、関連イベントで参加無料の勾玉つくりも行われ、親子連れを中心に大勢が来場して午前中は場所が足りないほど盛況だった。
このあと3月2日(土)と23日(土)にいずれも午後2時から約1時間の展示説明、関連イベントで午前10時から午後2時まで2日はアンギン編み体験、23日は火えん土器スケッチが行われる。いずれも参加は無料で、参加者には火えん土器をデザインした特製クリアホルダーをプレゼントする。
(佐藤)