木原尚写真展「白鳥<美態>」 三条市下田地区で撮影した新作も (2019.2.20)

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新潟県見附市に住む写真家、木原尚(たかし)さん(79)の写真展「白鳥<美態>」が2月20日(水)から3月10日(日)まで見附市民ギャラリー「ギャラリーみつけ」(見附市昭和町2)で開かれており、45年前から撮りためたハクチョウの写真に新たに三条市のハクチョウの飛来地で撮影した新作を加えて展示している。

ギャラリーみつけで開かれている木原尚写真展「白鳥<美態>」で写真家の木原さん
ギャラリーみつけで開かれている木原尚写真展「白鳥<美態>」で写真家の木原さん

展示室1はデジタルカメラで撮影した写真、展示室2はフィルムカメラで撮影した写真を中心に2つの展示室を使って合わせて47点を展示している。三条市のハクチョウの飛来地は、山手の下田地区森町地内の五十嵐川。右岸に「白鳥の郷公苑」の観察舎もある。

木原さんは「ハクチョウは大方、取り尽くした感がある」というが、ハクチョウをテーマに今回の写真展を開くことが決まってから「せっかくなら新しい作品も」と今シーズン、天気のいい日を見計らって数回、下田へ撮影に出向いた。ハクチョウのいろんなしぐさが見られる早朝を中心に撮影したなかから18点を展示する。

三条市下田地区のハクチョウの飛来地で撮影した新作
三条市下田地区のハクチョウの飛来地で撮影した新作

「下田はカモが少なく撮りやすい。光線の具合もちょうどいい。右岸から見るとちょうど太陽の光が半逆光になり、ハクチョウの姿が立体的に見える。知る人ぞ知るハクチョウの撮影スポット」と木原さんのお気に入りの場所になった。

下田のハクチョウを含む展示室1は、タイトルにもあるようにハクチョウの“美態”、美しい姿にフォーカスしているのに対し、展示室2は北海道の尾岱沼(おだいとう)や函館の大沼、福島県の猪苗代湖、新潟県阿賀野市の瓢湖(ひょうこ)など各地のハクチョウの生息地で撮影した自然とハクチョウのかかわり、風景のなかにあるハクチョウをとらえている。北海道の尾岱沼で体を丸めて吹雪に耐えるハクチョウを雪が覆う写真などドラマチックな作品が多く、見応えのある作品が並ぶ。

北海道の尾岱沼で撮影した雪に埋もれていくハクチョウ
北海道の尾岱沼で撮影した雪に埋もれていくハクチョウ

木原さんは見附市出身。上京して印刷会社で働きながら写真学校に学び、75日間にわたり欧州をひとり旅したことも。45年前に帰郷して新潟市に写真事務所「木原フォトス」を構えて実家のある見附市と行ったり来たりしながら写真家として活躍。親の世話もあって2004年に見附市に戻った。

東京時代の1969年に新宿ニコンサロンで個展「CASA スペインの家」、71年に銀座ニコンサロンで「SILENT TOKYO 人のいない東京」を開き、75年に新潟市・新潟イチムラで「はさ木の詩(うた)」を開催。その後、ハクチョウをテーマにした個展を3回、開いている。

個展の案内のポストカードに使った作品も三条市下田地区で撮影
個展の案内のポストカードに使った作品も三条市下田地区で撮影

地元のギャラリーみつけでの個展は初めて。木原さんは「ハクチョウは白い鳥で美しく、愛着のある鳥。ハクチョウの形態の美しさ、フォルムを特徴づけたいと撮ってきた」と語る。

また、木原さんは越後で活躍した彫工、石川雲蝶(1814-83)の研究でも知られ、会場で著書『越後の名匠 石川雲蝶 足跡と作品を訪ねて』(税込み1,500円)と木原さんが撮影、編集した『写真で見る小図鑑 白鳥と水辺の鳥』(300円)の販売も行っている。

販売している木原さんの著書
販売している木原さんの著書

関連イベントとして2月23日(土)午後2時から会場で木原さんによるギャラリートークが行われる。開館時間は午前10時から午後10時まで、最終日は午後3時まで。月曜休館。入場無料。問い合わせはギャラリーみつけ「ギャラリーみつけ/見附市民ギャラリー」
(電話:0258-84-7755)。

(佐藤)

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