三条市議会3月定例会初日の1日、国定勇人市長が施政方針演説を行い、「このまちのデザインを描ききるべく、新たな時代への最初の一歩を、そして平成最後の一歩を着実に踏み出してまいります」と平成31年度の施政方針を述べた。
1「このまちの基礎体力を向上させる〜ライフステージごとに基礎体力を高め、まちの魅力を向上〜」、2「人を去らせず、来たる人を追い求め、歓迎する〜人口流出を抑制し、人口の復元力を高めることで社会動態を改善〜」、3「人口減少社会と共存する道を歩む〜高度成長期以来の価値観の転換を図ることで『持続可能』という最強の武器をこの手に〜」とする3つの処方箋を柱に、考えや施策を示していった。
処方箋1では、取り組み開始から10年を経た三条市の小中一貫教育は、すべての小中学校が学園性に移行するなど基本的な運営体制が整ったことで名実ともに節目を迎えたとし、これまでの積み上げを基礎としながら、さらに価値を高める取り組みを進めていくことが必要。
「三条市体育文化会館」の12月供用開始、図書館等複合施設は基本計画及び実施計画への着手にもふれた。
「安全・安心な暮らしへの更なる追求」の項目では、三条市が経験した2度の大水害当時を知らない世代も多くなり、「自助、共助の理念の浸透を意識的、継続的に図っていくことは極めて重要」とし、避難行動などを適切にサポートするために改訂した『豪雨災害対応ガイドブック』の説明や各種災害の適切な対応の重要性などの研修や講演の継続的実施、県央基幹病院の開院に向けた都市計画道路下須頃上須頃線の新設と拡幅への取組、国道403号三条北バイパスと国道289号八十里越え区間の速やかな整備を要望していく。
「全ての人々の尊厳の確保」の項目では、障がいのある人が日中活動を行う施設の整備を支援するとともに、嵐南・栄地域に相談支援事業所を増設するほか、「チャレンジドオフィス」への支援などの取組を進める。
処方箋2では、「若年層の転出抑制」の項目で、「三条技能創造大学」を10月の大学設置認可申請に向けた教員の確保や教育課程の作成に取り組みつつ、入学制の確保や協力企業の開拓などを進めていく。医療系高等教育機関は、来年4月の開校を万全の形で迎えることができるよう取り組んでいく考えを示した。
おわりに、「平成」を振り返ったとき、「多くの人々が『あの頃はよかった」と感じるような時代ではなく、多少の郷愁を感じながらも前を向いて力強く更に未来を切り拓いていこうと自然に思うことのできる時代を市民の皆さまと共に築きあげてまいりたいと切に願っております」と締めくくった。
(坂井)