三条市立長沢小学校の3、4年生合わせて30人は7日、自分たちでふ化させたサケの稚魚を含む約2万匹を五十嵐川に放流し、産卵のため遡上する4年後の再会を願った。
放流は、火焔土器に代表される縄文をキーワードに、三条市など信濃川中流域の市町村が交流・連携をはかる「信濃川火焔街道連携協議会」が主催する「カムバックサーモン事業」の一環。
日本遺産に認定された「『なんだコレは!』信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」のストーリーに登場する「縄文時代の重要な食糧資源であったサケ」を現在の信濃川とその支流によみがえらせようと平成22年度から毎年、地域の小学生とともに稚魚を放流しており、三条市では9回目。
長沢小学校の3年生と4年生は、昨年11月、事前学習として五十嵐川漁業協同組合(飯塚喜一組合長)からサケの一生や採卵などについて学び、ふ化場で採卵した卵を分けてもらった。3、4年生の教室前の廊下に水槽を置き、3学期の初めにふ化に成功。3年生が水温をチェックし、4年生が水替えやえさをやったりと毎日管理を続け、みんなで大切に育ててきた。
放流は、午前9時45分に三条市森町地内の白鳥の郷公苑前の五十嵐川河川敷で行った。五十嵐川漁協と新潟県建設業協会三条支部の青年部「三条クリエイトクラブ」が協力して、堤防の上にとめたトラックの水槽から稚魚を小さなバケツに入れ、バケツリレーで河川敷に運んだ。
小雨の降るなか、児童たちはバケツを川につけて稚魚を放した。勢いよく泳いでいく稚魚の黒い背中に、「ちょっと悲しいけど、元気でね」、「おれが(4年後)中学に行ったら戻ってこいよ」と声をかけて見送った。
(坂井)