新潟県議選(3月29日告示、4月7日投開票)の三条市選挙区(定数2)で再選を目指す藤田博史氏(49)の事務所開きが9日行われ、支持者ら50人余りが出席して藤田氏を再び県議会へ送り込もうと結集を呼びかけた。
三条市南四日町4地内の三条市民プールにとなりに事務所を構えた。藤田氏は「政治家がいちばんやらなければならない命題は平和」と定義。県の財政調整基金が枯渇しそうで「2年後には県が借金をするのに国に許可を求めなければいけない状況」と危機感を募らせ、「前の前の知事がやってきたことの後始末を今しなければいけないということが大変、増えている」と知事を3期務めた泉田裕彦氏を引き合いに多選に矛先を向けた。
「長期政権をとると、どうしてもゆがんだところが出てくる。問題が露見する。高慢な政治をしていく。誰しもがそう。長期政権はいけない。今の安倍政権を見てください。あの傲慢な姿勢。国民がいくら異議を申し立ててもそれを聞こうとしない。これと同じ姿勢のことが地方の政治でも起きている。これが現実であります。どことは言いません。足元を見ればわかることです」と暗に4期目の国定勇人市長の多選を批判した。
進学、就職して新潟に戻る若者が減ってきていることを心配した。原因のひとつに所得の低さがあり、首都圏との比較はともかく、北陸3県と比べても新潟県の県民所得は20万円から50万円も低いと指摘。「ほかの県にできてわが新潟県にできないわけはない」とし、「しっかりと産業振興の施策を図れば県民所得が増え、生活が安定して豊かになり、若い人たちは帰ってきてくれる」と方向性を示した。
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は、知事は3つの検証なくして議論は始められないとしているが、「いつ再稼働を突きつけてくるかわからない」と疑う。県議会で自民党が圧倒的多数を占め、「しっかりと力の均衡がとれた議会のなかで議論ができるか。そして皆さんにアピールができるかどうか。それが大変、大切」とした。
この地域にほかにふたつの問題があるとし、まず県央基幹病院は全面開院できない恐れがあるが「あきらめてはいけない。しっかり対策を打って医師、看護師を集めるため環境を整える」ために今から取り組まなくてならないとした。
そして市内の道路の慢性的な渋滞。渋滞のなかに救急車が入って来たら助かる命も助からなくなり、県議会で国道403号バイパスと国道289号バイパスの促進をずっと訴えていると強調。しかし、地元があまり興味がなく、「不便をしっかりと実感できる人間が政治に携わっていかなければならない」とし、「この地域の課題を解決できるのは、わたしでなければできない。そして現職でなければならない」と訴えた。
さらに「県庁の職員だって三条の県議が替わったらまた1年生から。間違いなく足元を見られる。続ける力が大事。現職を続ける。これがこの地のさらなる発展のために必要であります」と優位性を強調し、支援を求めた。
また、須藤昭後援会長はあいさつで、藤田氏が2006年に当時の最年少市長となった国定市長に触発されて10年に市議選に立候補して当選し、15年に県議会に当選した経緯を話し、県議に求められる役割について話したあと、「(藤田氏は)まだまだ未熟だが、彼は必ず職務をまっとうしてこの実現のために邁進してくれると信じている」と述べた。
(佐藤)