株式会社東急百貨店(東京都渋谷区)は12日、昨年末から年始に同本店で開催した「ジャイアント馬場20thメモリアル〜ジャイアント馬場展〜」のメイン広告として店舗に掲げた巨大懸垂幕を、ジャイアント馬場(本名:馬場正平)さんの出身地で名誉市民とする新潟県三条市に寄付した。
午後1時半に、東急百貨店本店の石田晃也営業統括部長と高山拓也さん、馬場さんの妻元子夫人の姪で(株)H.J.T Productionの取締役の緒方理咲子さんと、同社代表取締役の緒方公俊さんの4人が三条市役所を訪れ、先に送った懸垂幕を国定勇人市長に披露して贈呈した。
「ジャイアント馬場」の功績を後世に伝えようと、国定市長を名誉会長にして昨年11月に発足した「三条ジャイアント馬場倶楽部」=中條耕太郎会長=の役員4人も同席した。
寄付された懸垂幕は、幅3.4m、長さ17.5m。屋外設置用のテント生地製で、上部5分の3ほどのスペースにガウンを着た馬場さんの全身の写真が入り、その下に「ジャイアント馬場展」や開催日などがある。広告として東急百貨店本店の屋外に掲げていたもので、同本店の7階から3階フロアまでかかるジャイアントサイズ。インパクトのあるものをと、渋谷のスクランブル交差点からも馬場さんの姿が見えるように製作。
同展は、2018年12月29日から10日間開催。馬場さんが61年の生涯を閉じてから20年となる節目の年で、さらに平成最後の年末年始に日本のスポーツ界をけん引してきた「ジャイアント馬場」さんの実像にせまるとして、チャンピオンベルトなどプロレス関係から、初公開の愛用品、馬場さんが描いた油絵なども展示。SNSでも大きな話題となり、1万人を超える来場者で大盛況だったという。
石田営業統括部長によると、通常、広告の懸垂幕は企画が終了すれば廃棄しているが、せっかく馬場さんの写真を使っているのだからと、その取扱いを緒方さんに相談したところ、馬場さんが三条市の名誉市民であることなどを知り、三条市で活用してもらえるならと、初めての例外として寄贈することになった。
この日、市役所の会議室で披露された懸垂幕は、天井から床まで使ったものの、見えるのは優しく微笑むような馬場さんの顔と肩先までという迫力のサイズ。
全員がその大きさに驚き、部屋に入った瞬間に「でかっ!」と思わず声に出すほどだった。
国定市長は、最長で5フロア分の長さを必要とする懸垂幕の設置場所について、「三条市役所では無理でしょう?」。「どうしましょう」と何度も口にし、倶楽部役員も三条信用金庫本部、建設中の三条市体育文化会館、燕三条駅、パルムマンションと市内では高層の建物の名前をあげていた。「よい話題を提供して頂きありがとうございます」と礼を述べ、活用方法は今後、検討していくこととした。
また、同展で初めて公開されたという馬場さんの描いた油絵や手書の話題から、プロレスラー「ジャイアント馬場」とは別に、人としての馬場正平さんも知ってもらいたいという緒方さんの考えに賛成と言い、馬場さんの油絵展を三条でできないかと打診していた。
(坂井)