三条市立森町小学校の5年生が14日、下田(しただ)のコメのおいしさを伝えたいと自分たちで育てたコメ「森笑米(もりしょうまい)」を道の駅「漢学の里しただ」(三条市庭月)で販売した。売上は下田地区の農業活性化のために役立ててもらおうと寄付することにしている。
販売したコメは、庭月地内の学校田で、5年生(14人)が中心となって全校児童が協力して育てた。昨年5月に田植えをし、草取りや観察を続けて9月に稲刈り、脱穀までを行った。全体で240キロを収穫し、校内のひこざえん祭りで味わったり、近隣の施設や地域の人にもプレゼント、授業参観の日に保護者への販売も行った。
この日は、1キロ入り1袋500円を26袋を並べた。手作りのパッケージには、黄金色の穂をつけたイネの黄緑色が鮮やかな田んぼの写真が大きく入る。さらに「わたしたちは、このお米を食べた人が笑顔になってほしいという思いをもって育ててきました」、「なのでみなさんにも食べてもらって笑顔になってほしいと思っています」、また、「下田の米づくりを守っていきたい」という願いから、下田地区の棚田の再生に取り組むNPO法人ソーシャルファームさんじょうに売上全額を寄付すると手書きのメッセージを書いている。
手作りの看板と「森笑米」のマスコットキャラクター「米森(まいもり)ちゃん」のダンボール製の着ぐるみも準備。販売を前に、児童代表が「雪のなか、お越しいただいてありがとうございます。たくさん買ってください」と大きな声であいさつして販売を開始した。
名残の雪となり、今朝は再び冬タイヤに交換してから来たという人もいた同地域だったが、販売開始の午前10時50分前から、地域の人や児童の祖父母など20人ほど並び、1人1袋の販売制限を行うほどで、10分ほどで完売した。「ありがとうございます」と両手でコメや釣り銭を丁寧に手渡す児童たちの姿は、食べる前から買物客を笑顔にしていた。
5年生は、この日の売上と学校で販売した売上を合わせて、NPO法人「ソーシャルファームさんじょう」に寄付することにしている。
(坂井)