新潟県燕市の燕市立図書館(燕市白山町1)で2018年10月30日から休館して行われていた空調設備をはじめトイレや内装の改修工事が終わり、4カ月半ぶりに15日、開館。同時にこけら落とし的に2階展示ホールでは絵本作家、加藤休ミさんの絵本原画展がスタートし、31日まで開かれている。
燕市立図書館は三条市立図書館より1年早く旧燕市時代の1982年に開館。それから37年たつ。約1億3千万円を投じた初めての大規模改修で、トイレの洋式化やカーペットの張り替えもあわせて行われ、休館中は燕市中央公民館を間借りして図書の貸し出し業務を継続してきた。
開館初日は近くの燕こども園(皆川和子園長・燕市白山町1)の年長児26人が来館し、午前9時半から玄関で燕市教育委員会社会教育課の本田克巳課長補佐と年長児の代表2人でテープカットのはさみを入れ、続いて絵本原画展の展示ホール入り口でも同様にテープカットした。
園児は原画を1点ずつ順に見学したあと、ボランティアによる加藤休ミさんの絵本の読み聞かせも楽しんだ。
絵本原画展で取り上げた加藤休ミさんは、1976年に北海道釧路市に生まれた。クレヨン家、絵本作家、クレヨンとクレパスを使った独特の画法と迫力あるタッチでノスタルジックな情景やこっけいな人物画を描き、なかでも食べ物がモチーフの作品に定評がある。
2017年4月に燕市のひとり出版社「おむすび舎」が出版した中川ひろたかさんが文、加藤休ミさんが絵を描いた『いのちのたべもの』の19点をはじめ、2013年発売の『おさかないちば』(講談社)の19点、同じく2013年発売の『りきしのほし』の18点の絵本3作品の原画合わせて56点を一堂に展示している。
絵本も展示しており、絵本を忠実に再現しようと印刷されているが、絵本と原画の色の違いは想像以上に違う。使っている画材のクレパスを展示しているが、子ども用と変わらない16色入りであることにも驚かされる。
紙の地に白を塗っているのがはっきりわかる作品がある。加藤休ミさんは、最初に画面に白を塗ってからその上に色をのせることで、表面をこすったりはがしたりすることでぼかしたり、下の色を出したりといった表現手段を取っていることがよくわかる。
『いのちのたべもの』で子どもが買い物するものを書いたメモを広げている場面のメモの文字は「休ミさんから一緒に参加してと言われて」霜鳥さんが書いた文字をあとでデータ上で張り付けたというエピソードもあり、買い物の文字が書かれていない状態の原画を見ることができる。
原画展は3月31日まで、18日(月)と25日(月)は休館。平日は午前10時から午後7時、土、日曜と祝日は午前10時から午後4時まで開館。3月21日(木・祝)午後1時30分から3時30分まで燕市児童研修館「こどもの森」(燕市大曲3355)でワークショップ「どすこい!トントンずもうであそぼう!」が行われる。参加費無料、定員50人。申し込みや問い合わせは燕市立図書館(電話:0256-62-2726)をはじめ、吉田図書館(電話:0256-92-7650)、分水図書館(電話:0256-91-3255)へ。
(佐藤)