3月20日夜、新潟県燕市分水地区で開かれた自民党分水支部(丸山吉朗支部長)の総会に来賓として出席した新潟2区選出の自民党の細田健一衆院議員はあいさつで、「いかなる形であれ、次の選挙にはこの新潟2区から出馬をさせていただきたい」と新潟2区へのこだわりを強調した。
同じ新潟2区で戦ってきた旧民主党で無所属の鷲尾英一郎衆院議員はこの日、自民党に入党を申請した。これに先だって週明け18日に開かれた自民党新潟県連幹部会議では、細田氏が引き続き新潟2区支部長を続けることを条件に入党を認めることを決めた。
細田氏はあいさつで、鷲尾氏の入党をめぐるここ2週間ほどの報道で支持者らに心配をかけたことをわびたうえで、「私自身はこの2区から離れることは絶対にない」、「この場所に踏みとどまって政治活動を続けたい」と繰り返し、「おれたちが応援できない所には絶対に行くなという声を多数いただいた。この声に応えてまいりたい。歯を食いしばって2区で頑張って活動する」と支援を求めた。
細田氏の表情はかたく、その後も取材に対し「一度、党が決めれば組織に従うのが組織の人間」と答えた。
県連会長の塚田一郎参院議員はあいさつで、これまでの経緯を説明した。先の県知事選、新潟市長選での鷲尾氏の選挙協力、国会での自民党の投票行動に一致した動きに対し、自民党入党の動きが水面下であり、議論の末に県連の意向をはかるべきとなり、県連の選挙対策委員会で議論した。
その結果、鷲尾氏入党の条件として「細田健一衆院議員、新潟2区支部長は不変であると。今後も支部長として次期衆院選の候補予定者としてしっかりと頑張っていただく。これが前提だということ」となり、その日のうちに上京して二階俊博自民党幹事長に会って県連の意向を伝え、了解を得た。
塚田氏は「今後の鷲尾氏の処遇については県連のみならず広い観点から自民党全体として考えていただく」と述べた。
桜井甚一県議はあいさつで、県連幹部会議では細田氏の新潟2区支部長継続を誰かが保証するのかという議論もあったが、「国会議員の処遇は党本部の専権事項と理解いただきたい」、「鷲尾氏はもう細田氏とは戦わない。これだけははっきりしている」。前回衆院選で細田氏は鷲尾氏に敗れて比例復活しており、「支部長であっても比例復活は2回までしか党本部は認めていない」。
さらに「これからも支部長として活動していただくには、本人ももちろんだが、われわれもしっかりした選挙区で勝ち上がるという体制をこの間に積み上げていくということが肝要」、「多分、鷲尾氏以上の強力な候補は今の段階では向こう側にはいない」と結果的には細田氏にとっても自民党にとっても有利に働くことを示した。鷲尾氏の処遇については「党本部の専権事項。われわれが口をはさむこともできないし、党本部もまだ決めていない」と述べた。
(佐藤)