注目を集めるウオータースポーツ「サップ(SUP)」。「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の頭文字を取った略称で、サーフボードにようなボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進む。国際大会にも出場するほどサップに夢中な燕市出身の早稲田大国際教養部3年の山後緑さん(22)は3月15日、初めて三条市内の信濃川でサップしてみた。
サップは1960年代に米国のハワイで生まれたとされる。サーファーが遊びで始めたらしいが、ウオータースポーツのひとつとして定着し、近年は国内でも急速に人気が高まり、2020東京五輪のプログラムにも追加された。
ボードはサーフィンに似るが、空気を入れて膨らませる空気を入れて膨らませるので持ち運びしやすい。パドルは1本だけ使う。山後さんは信濃川でのサップは初めて。この日はふだんより流れがやや速く、パドルで上流へ向かうのがかなり厳しかった。信濃川の川面に人が立っている姿はまるで忍者か何かのようで、サップを知らない人には目を疑うような光景だった。
山後さんが高校2年生で米国・カリフォルニア州のオーシャンサイドの高校に留学したとき、たまたまサップの聖地だったたこともあり、サップを体験した。おもしろいとは思ったものの、それっきりだったが、早大へ進学してサップのサークルと出会い、参加した。
サップの競技は6kmや18kmのタイムレース。昨年は全日本大会で9位になり、学生では全日本大会で3位になった。学生の日本代表チームとしてオランダで開かれた国際大会にも出場しており、学生の女子サップのトップ選手のひとりだ。
「地元の観光に興味があり、サップが生かされるのではと思う」と山後さん。「ただ風景がきれいとかだけじゃなく、サップするというアクティビティが加わることでもっとおもしろくなると思う」と言い、「ことしは大学を休学して全国をサップして回り、サップで地域を発信していきたい」とサップのもつ可能性を信じている。
(佐藤)