新潟県三条市の成人式がことしも「春分の日」の3月21日、燕三条地場産業振興センターで行われ、二十歳の門出を祝った。対象者1,050人のうち811人が出席し、出席率は昨年を1ポイント近く上回る77.24%と高かった。
式典、アトラクション、記念写真撮影を行った。式典では国歌斉唱、市民憲章唱和に続き、国定勇人市長が式辞を述べた。国定市長は26年前に成人式を迎え、「少しばかりの人生の先輩」の立場から「教養を磨き、大局観を養う、この不断の努力を続けない限り、人から見て彼は立派なおとなだと思われるような人生を過ごすことはできない」とした。
教養を磨き、大局観を養うには今からでも遅くはなく、「これから先の10年間、20代こそが皆さんの人生の素地をつくる」。いろんな経験を積み、多くの仲間をつくり、多くの人の話を聞き、さまざまな所へ旅をし、たくさんの本を読むことを求めた。
「皆さんには限りない輝かしい無限の可能性が広がっています。そんな皆さんをわたしたち、ちょっとした先輩は心の底から応援をしていきたいと思う」と述べた。
阿部銀次郎市議会議長は祝辞で、ことしは元号が変わって来年は東京五輪パラリンピックがあり、三条市ではことしは体育文化会館が完成することなどにふれ、「新たな時代が押し寄せるなかにあっても皆様がそれに飲み込まれることなく、それぞれの志のもとに大いに活躍されることを願う。それこそが三条市への発展へとつながっていくものと確信する」と述べた。
新成人代表で大崎中出身で三条市に住む会社員宮島健さん(20)が成人の言葉。「わたしたち一人ひとりは、どう生きていくか、現在と将来について真剣に向き合い、そして将来の明確なビジョンのもと、仕事もプライベートも充実した人生を歩めるように、また、子どもたちに夢を希望を与えられる人になれるように必死に努力を重ねたいと思います」と述べた。
このところ晴れて花咲くころの暖かい陽気が続いていたが、この日は小雨の降るあいにくの天気だった。開式前は爆音を上げる車に箱乗りして騒ぐ新成人もいて、自分の名前を書いた12本ののぼり旗まで用意していたが、会場へ持ち込むことは許さなかった。新成人もそれには素直に応じてトラブルにはならず、玄関に旗を置いて会場へ入った。
式典でも一部を除けばそれほど騒がしくなったが、国定市長は式辞の最中に大声を上げた新成人に対し、式辞を中断してこれ以上、騒ぐようなら退場を命じるとたしなめた。続く阿部市議会議長が祝辞の冒頭から騒いでいる新成人をとがめると、式辞のときと同じ新成人が再び大声を上げたため、国定市長が職員に命じて新成人1人を退場させた。これまでも酔っていることなどを理由に三条市が入場を拒否したことはあるが、式典中に強制的に退場させたのは初めてだった。
とはいえ全般にはそれほど騒がしくなく、一部を除けば逆に例年よりおとなしい印象。多くの新成人は久しぶりの再会に笑顔であふれていたが、中には理由はわからないが目を真っ赤にして泣きはらしている2人の女性もいた。
(佐藤)